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問題66 完全骨折はどれか。
1.陥凹骨折
2.竹節状骨折
3.剪断骨折
4.骨膜下骨折
答え.3
解説
①完全骨折とは、骨が完全にぼきっと折れてしまっている状態である。一般的な骨折とはこの完全骨折を意味する。
②不全骨折とは、何らかの理由により骨が連続性を完全に失わない状態の骨折を指す。いわゆる骨にヒビが入っている状態である亀裂骨折や、緻密層以下の部分が離断しているにも関わらず骨膜に損傷がないため、外形的には変化が見られない骨膜下骨折などがこの不全骨折の典型例である。
1.× 陥凹骨折は、不完全骨折である。
陥凹骨折とは、骨折の種類のひとつで外側からの強い衝撃により骨が内側にへこんだ形状で折れることである。好発部位は、頭蓋骨、頬骨、鼻などの頭部である。特に、頭蓋骨に大きな陥没骨折が起きやすい。脳を圧迫したりとがった骨の先端が内部に影響を与えている場合、外科手術で陥没した部分を挙上したり取り除くことが必要である。
2.× 竹節状骨折(※読み:ちくせつじょうこっせつ)は、不完全骨折である。
竹節状骨折とは、隆起骨折や花托(かたく)骨折とも呼ばれる。長軸の方向に圧迫された場合、部分的に骨が押しつぶされて、骨折した部分が竹の節のように輪状に隆起する骨折である。小児の橈骨遠位端骨折に多く見られる。
3.〇 正しい。剪断骨折は、完全骨折である。
剪断骨折とは、力が骨に対して直角に作用し、骨が完全に2つに分かれるタイプの骨折である。横骨折のような形となる。ちなみに、剪断力とは、物体の両側から向かい合うように同じ大きさの力が働いて、物体にズレを生じさせる力のことである。
4.× 骨膜下骨折は、不完全骨折である。
骨膜下骨折とは、骨そのものが完全に離断しているが、骨膜の損傷が全くない状態である。このため骨がずれるなど骨片が散ることがなく、治癒に有利に働くことが多い。骨膜は、骨の表面にある薄い膜で、骨の保護や形成、栄養などにかかわる。
若木骨折は、骨の膜の内側で、筋状にひびが入っている状態である。小児によくみられる。若木を折り曲げたときのように、ポキッと折れず連続性が一部保たれた不完全骨折である。不全骨折とは、何らかの理由により骨が連続性を完全に失わない状態の骨折を指す。いわゆる骨にヒビが入っている状態である亀裂骨折や、緻密層以下の部分が離断しているにも関わらず骨膜に損傷がないため、外形的には変化が見られない骨膜下骨折などがこの不全骨折の典型例である。
問題67 骨挫傷が証明される画像はどれか。
1.超音波
2.単純エックス線
3.CT
4.MRI
答え.4
解説
骨挫傷とは、スポーツによる外傷や交通事故、関節同士がぶつかることなど外部からの衝撃が原因で骨内部に損傷をきたした状態である。不完全骨折までいかず、骨の内出血を起こしている状態である。
1.× 超音波
超音波検査とは、「高い周波数の音」を用いる検査で、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器や、甲状腺や乳腺などさまざまな臓器にできたがんで検査する。主な禁忌としては、血管の疾患(血栓性静脈炎など)、急性敗血症(感染の拡大や塞栓剥れの為)、放射線療法(少なくとも6ヶ月は禁忌)、腫瘍(成長促しや転移が生じる為)、心疾患(心臓を刺激する為、星状神経節や迷走神経部位は避ける)、妊婦、成長期の子供の骨端線への照射などである。
2.× 単純エックス線
単純エックス線検査とは、極めて低線量のX線を用いて画像を撮影し、病気の診断に役立てる。骨折や肺炎、腸閉塞、マンモグラフィなどで有用である。
3.× CT
CT検査とは、脳内の腫瘍や出血などの異常の有無や程度が分かる。出血部位は低吸収域(黒)としてうつる。エックス線を使用した撮影である。
4.〇 正しい。MRIは、骨挫傷が証明される画像である。
核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。軟部組織だけでなく骨組織における微細な損傷も描き出すことができ、骨挫傷のような微細な損傷や初期の骨病変の診断に特に有用である。
核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。
【MRI検査の禁忌】
①体内の電子電機部品(ペースメーカ、移植蝸牛刺激装置(人工内耳)、植込み型除細動器、神経刺激器、植込み型プログラマブル注入ポンプ):MRI対応型もあるためしっかり確認する。
②素材の確認できない脳動脈クリップ:MRI対応型もあるためしっかり確認する。
③目や脳など特定の重要臓器に迷入した鉄片などの強磁性体の破片
④眼部のインプラントや材料で強磁性金属を使用しているもの
⑤磁場によって活性化するもの(磁力で装着する義眼、磁石部分が脱着不能な義歯など)
⑥目のメークアップ用品、カラーコンタクト
⑦入れ墨
⑧補聴器
⑨いくつかの管腔内デバイス
⑩ニトログリセリン真皮浸透絆創膏
問題68 関節包内骨折はどれか。
1.上腕骨外科頸骨折
2.上腕骨穎上骨折
3.大腿骨頚部内側骨折
4.大腿骨大転子単独骨折
答え.3
解説
関節包内骨折とは、骨折する際にできる骨折線が関節包の内部にある骨折のことである。一方、関節包外骨折とは、骨折線が関節包の外部にある骨折のことである。ちなみに、関節包とは、骨と骨があたる部分にはやわらかな軟骨があり、そのまわりは丈夫な袋のことをいう。関節包の内面は、滑膜でおおわれ、滑膜から潤滑油のように滑らかな液が分泌されて、関節の滑りをよくしている。
1.× 上腕骨外科頸骨折は、関節包外骨折である。
肩関節の関節包は、上腕骨頭と肩甲骨とをつないでいる。上腕骨外科頸や上腕骨顆には走行しない。
3.〇 正しい。大腿骨頚部内側骨折は、関節包内骨折である。
なぜなら、股関節の関節包は、大腿骨頸部と寛骨臼とをつないでいるため。
4.× 大腿骨大転子単独骨折は、関節包外骨折である。
なぜなら、股関節の関節包は、大腿骨頸部と寛骨臼とをつないでいるため。
問題69 握雪音を生じるのはどれか。
1.仮骨の軟化
2.外傷性皮下気腫
3.偽関節
4.外傷性骨化性筋炎
答え.2
解説
握雪音とは、呼吸異常音のひとつで、胸膜炎で胸膜面が粗くなったときに聴取できる靴底の軋む音、雪を握るような音(ギュギュ) のことである(※読み:あくせつおん)。
1.× 仮骨の軟化
仮骨の軟化とは、骨折が治癒する過程で、伝染病・壊血病や蜂窩織炎・丹毒などで、仮骨が特発的に軟化吸収され、骨損傷部に再び異常可動性を起こすことがある。再骨折に至ることもある。
2.〇 正しい。外傷性皮下気腫は、握雪音を生じる。
皮下気腫は、皮膚の下の脂肪層に空気が溜まる状態を指す。この空気の存在が、皮膚を押すと雪を握るような音(握雪音)を出す原因となる。ちなみに、皮下気腫とは、皮下組織内に空気がたまった状態をいう。空気が侵入する経路としては、皮膚の損傷による外部からの侵入、損傷された壁側胸膜を通しての胸腔内空気(気胸)の侵入、期間・気管支損傷や食道損傷などに伴う縦隔からがある。原因として、交通事故の原因となる外傷(特に胸部の打撲)、高所からの転落、挟まれたことによる挟圧外傷などである。症状として、胸や頚部に空気がたまり、その部位が膨らみ、強い痛みが出る。握雪感や捻髪音も感知でき、胸痛や呼吸困難を訴える場合もある。
3.× 偽関節
偽関節とは、骨折部の癒合不全により異常可動をきたすことである。血流が少なく、骨癒合が起こりにくい部位の骨折が好発部位である。つまり、①大腿骨頸部骨折、②手の舟状骨骨折、③脛骨中下1/3骨折等は偽関節を起こしやすい。
4.× 外傷性骨化性筋炎
骨化性筋炎とは、打撲などの外傷によって、筋肉の中に骨と同じような組織ができてしまう疾患のことである。 外傷性骨化性筋炎、骨化性筋炎とも言う。 損傷を受けた筋肉が出血して血腫ができたところに、カルシウムが沈着し、石灰化しておこる。スポーツなどでよくみられるいわゆる「ももかん」で、大腿部を直接打撲すると筋肉の中に血腫が出き、これが骨化することで、骨化性筋炎となる。
問題70 施術録で正しいのはどれか。
1.患者本人以外に対する説明は記載しない。
2.訂正する場合は修正液を用いる。
3.業務範囲外で転医した場合は記載しない。
4.施術完結の日から5年間保存する。
答え.4
解説
1.× 患者本人以外に対する説明も「記載する」。
なぜなら、施術録とは、療養費支給申請の根拠となる資料であるため。施術内容や期間、費用などを記載する。特に、患者が意識不明や判断能力が低下している場合、家族や法定代理人への説明は重要なケアの一部となる。
2.× 訂正する場合は、修正液を用いる必要はない。
なぜなら、修正液を使用すると、元の文書の内容が完全に失われ、修正の痕跡が消えてしまうため。代わりに、誤った部分を二本線で取り消し、その上に正しい情報を書き加え、訂正者の署名と日付を記入するのが一般的である。
3.× 業務範囲外で転医した場合は「記載する」。
なぜなら、患者のケアに関する全ての重要な情報は、施術録に記録されるべきであるため。
4.〇 正しい。施術完結の日から5年間保存する。
なぜなら、はり、きゅう、あん摩マッサージにおいて、慢性疾患に対する施術も行うため。(※参考:「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項等について」厚生労働省HPより)