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問題96 顎関節症の分類で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.Ⅰ型:円板転位
2.Ⅱ型:靭帯損傷
3.Ⅲ型:関節軟骨破壊
4.Ⅳ型:変形性関節症
答え.2・4
解説
Ⅰ型:咀嚼筋障害を主徴候としたもの。
Ⅱ型:円板後部結合組織・関節包・靭帯の慢性外性病変を主徴候としたもの。
Ⅲ型:関節円板の異常を主徴候としたもの。
Ⅳ型:進行性病変を主徴としたもの。
Ⅴ型:上記のⅠ~Ⅳ型のいすれにも分類されないもの。
1.× 円板転位は、「Ⅰ型」ではなくⅡ型である。
Ⅰ型は、咀嚼筋障害を主徴候としたものである。
2.〇 正しい。Ⅱ型:靭帯損傷
Ⅱ型は、円板後部結合組織・関節包・靭帯の慢性外性病変を主徴候としたものである。
3.× 関節軟骨破壊は、「Ⅲ型」ではなくⅣ型である。
Ⅳ型は、退行性病変を主徴候とした病態で、その主病変部位は関節軟骨、関節円板、滑膜、下顎頭、下顎窩にあり、その病理変化は軟骨破壊、肉芽形成、骨吸収、骨添加である。
4.〇 正しい。Ⅳ型:変形性関節症
Ⅳ型は、進行性病変を主徴としたものである。
問題97 肋間筋損傷で正しいのはどれか。
1.直達外力で発生する。
2.皮下出血斑がみられる。
3.体幹の回旋で疼痛が増強する。
4.外傷性皮下気腫を合併する。
答え.3
解説
肋間筋損傷とは、胸の損傷の中で最も多く発生する損傷で肋骨と肋骨の間にある内・外肋間筋などの筋肉の肉離れすることである。原因として、筋肉が疲労したあげく無理にひねった場合になりやすい。症状として、①圧痛、②寝返り・起き上がりに痛み、③くしゃみ、咳、深呼吸により疼痛、④患部に圧痛・腫れなどがみとめられる。治療として、軽度のものはバンドで固定して微弱電流(マイクロカレント)やレーザー治療のコンビネーションなどで約1週間程度で治癒する。
1.× 直達外力で発生するとはいえない。
原因として、筋肉が疲労したあげく無理にひねった場合になりやすい。
2.× 皮下出血斑がみられるとはいえない。
皮下出血斑とは、皮下出血(内出血)したときに紫色のアザのことである。紫斑病ともいう。内出血が起こるメカニズムは、何かにぶつかるなど外部からの衝撃が身体に加わることにより皮膚や皮下の組織が壊れてしまい出血が身体の内部だけに溜まることで起こる。つまり、原因としては転倒などによる打撲や打ち身、捻挫が多く、ひどい肉離れなどでみられる。
3.〇 正しい。体幹の回旋で疼痛が増強する。
なぜなら、内・外肋間筋などの筋肉の肉離れしているため。したがって、寝返り・起き上がりに痛みが認められる。
4.× 外傷性皮下気腫を合併するとはいえない。
外傷性皮下気腫は、空気が皮下組織に侵入する状態であり、通常は肺や気管の損傷、あるいは開放性の骨折などで見られる。
問題98 背部軟部組織損傷と痛みを誘発する動きの組合せで誤っているのはどれか。
1.後頭筋損傷:頸椎前屈
2.肩甲周囲筋損傷:上肢外転
3.脊柱起立筋損傷:体幹回旋
4.棘上靱帯損傷:胸腰椎後屈
答え.4
解説
1.〇 正しい。後頭筋損傷:頸椎前屈
後頭筋とは、人間の頭部の浅頭筋のうち、頭蓋周囲の頭蓋表筋(後頭前頭筋)に含まれる筋肉である。 皮筋である。頸椎前屈に後頭筋が伸張され、痛みが誘発される。
2.〇 正しい。肩甲周囲筋損傷:上肢外転
肩甲周囲筋には、腱板が含まれる。腱板断裂とは、肩のインナーマッスルである棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が損傷・断裂していることをいう。肩峰や上腕骨頭とのインピンジメント(衝突)で損傷されやすい棘上筋腱の損傷がほとんどである。画像所見やインピンジメントの誘発テストによって診断される。また、断裂と断裂部に関節液の貯留を認めるため、超音波(エコー)やMRI検査で診断することが多い。MRIは時間がかかることや体内に磁性体がある場合は行うことができない。また画像をスライスでしか確認できないため連続性を追いにくいといった特徴がある。
3.〇 正しい。脊柱起立筋損傷:体幹回旋
脊柱起立筋は背骨を直立させるのに重要な筋肉群である。体幹の回旋にも寄与するため、体幹回旋によって、痛みを誘発される。
4.× 棘上靱帯損傷は、胸腰椎「後屈」ではなく前屈で痛みが誘発される。
棘上靭帯とは、第7頚椎から仙骨までの棘突起先端間を結ぶ強い線維索である。浅い線維は3~4椎をとびこえる。 第7頚椎より上方では、項靱帯に連なる。したがって、棘上靱帯の主な機能は、脊柱の前屈の制限である。したがって、前屈により痛みが誘発される。
問題99 肩腱板損傷の徒手検査法はどれか。
1.スピードテスト
2.ロードアンドシフトテスト
3.クランクテスト
4.リフトオフテスト
答え.4
解説
腱板断裂とは、肩のインナーマッスルである棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が損傷・断裂していることをいう。肩峰や上腕骨頭とのインピンジメント(衝突)で損傷されやすい棘上筋腱の損傷がほとんどである。画像所見やインピンジメントの誘発テストによって診断される。また、断裂と断裂部に関節液の貯留を認めるため、超音波(エコー)やMRI検査で診断することが多い。MRIは時間がかかることや体内に磁性体がある場合は行うことができない。また画像をスライスでしか確認できないため連続性を追いにくいといった特徴がある。
1.× スピードテスト
Speedテスト(スピードテスト)は、上腕二頭筋長頭腱の炎症の有無をみる。結節間溝部に痛みがあれば陽性である。【方法】被検者:座位で、上肢を下垂・肩関節外旋位から、上肢を前方挙上(肩関節屈曲)してもらう。検者:肩部と前腕遠位部を把持し、上肢に抵抗をかける。
2.× ロードアンドシフトテスト(Load and Shift Test)
ロードアンドシフトテストは、肩関節の不安定性を検査する。鎖骨と肩甲骨を押さえ反対側の母指で上腕骨頭の後面、他の指で前面を保持する。ロードテストとして、上腕骨頭を関節窩に押し当てる。シフトテストとして、上腕骨頭を前方後方へ押す。エンドポイントもて不安定感や疼痛の発現を確認する。
3.× クランクテスト(Crank Test)
クランクテストは、関節唇損傷を検査する。肘関節は90°に屈曲させ、肩甲上腕関節を肩甲骨面上で160°に外転させる。検査者は、片方の手で選手の肘関節を把持し、もう片方の手で肩甲上腕関節を前方から押さえ、痛みやクリック音を確認する。
4.〇 正しい。リフトオフテストは、肩腱板損傷の徒手検査法である。
Lift Off Test(リフトオフ)は、肩関節の障害部位を予測して不安定さを評価するテストである。主に、肩甲下筋の機能を評価する検査である。肩関節伸展内旋し、⼿背を背中に接した状態から⼿を後⽅へ持ち上げ、この際の筋⼒を検査します。
問題100 上腕二頭筋長頭腱断裂で正しいのはどれか。
1.小児に好発する。
2.筋力低下が生じる。
3.上腕近位に膨隆が生じる。
4.直達外力による発生が多い。
答え.2
解説
上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経:C5,C6である。
1.× 「小児」ではなく中年以降の成人に好発する。
上腕二頭筋腱断裂は、強い力を急に使うような出来事(例、重たい物を持ち上げる)または肘関節の強引な伸展またはねじれによって生じる。この断裂は、腱がすでにオーバーユースによって脆弱化しているときに起こり(例、重量挙げで起こる場合など)、オーバーユースは腱炎やときに腱の擦り減りを引き起こしうる。高齢患者では、上腕二頭筋腱を脆弱化する退行変性性の腱炎により断裂のリスクが高まる。腱を脆弱化しうるその他の因子によって腱断裂のリスクが高まる可能性があるが、それらが上腕二頭筋腱断裂にどの程度寄与するかについては十分に研究されていない(※引用「上腕二頭筋腱断裂」MSDマニュアル様より)。
2.〇 正しい。筋力低下が生じる。
なぜなら、腱が断裂することで筋力がうまく伝わらなくなるため。上腕二頭筋腱断裂は、断裂の部位に応じて上腕と肩関節または肘関節付近のいずれかに、突然の重度の疼痛を引き起こす。物を持ち上げるか引っ張ることにより疼痛が悪化する。その他の症状としては皮下出血、腫脹、筋力低下などがある。また、断裂した筋肉によって腕に膨らみが生じることがある。
3.× 上腕「近位」ではなく遠位に膨隆が生じる。
なぜなら、上腕二頭筋長頭腱の断裂により、筋腹は遠位に移動するため。
4.× 「直達外力」ではなく介達外力による発生が多い。
上腕二頭筋腱断裂は、強い力を急に使うような出来事(例、重たい物を持ち上げる)または肘関節の強引な伸展またはねじれによって生じる。介達外力とは、打撃や圧迫などの外力が加わった部位から離れた部位に体内組織を通じて外力が伝わることである。