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問題16 他動的に関節を動かした際、全可動域で抵抗感があるが運動は容易であった。
痙縮の程度を評価するアッシュワーススケールで正しいのはどれか。
1.1
2.2
3.3
4.4
答え.2
解説
MAS(Modified Ashworth Scale)は、筋緊張の程度を6段階(0、1、1+、2、3、4)に分類して評価するものである。
0:筋緊張の亢進がない
1:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある
1+:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりと引き続く抵抗感が残りの可動域(1/2以内)にある
2:さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能
3:顕著な筋緊張亢進があり、他動運動は困難
4:他動運動では動かない。
1.× 1:軽度の筋緊張亢進があり、ひっかかりや可動域の終末でわずかな抵抗がある。
2.〇 他動的に関節を動かした際、全可動域で抵抗感があるが運動は容易であった場合、MAS(Modified Ashworth Scale:アッシュワーススケール)は、2である。2:さらに亢進した筋緊張が可動域ほぼ全域にあるが、他動運動は可能。
3.× 3:顕著な筋緊張亢進があり、他動運動は困難。
4.× 4:他動運動では動かない。
問題17 職種と役割の組合せで誤っているのはどれか。
1.理学療法士:運動療法
2.作業療法士:日常生活活動訓練
3.言語聴覚士:摂食機能療法
4.臨床心理士:社会復帰援助
答え.4
解説
1.〇 正しい。理学療法士は、「運動療法」を実施する。理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。
2.〇 正しい。作業療法士は、「日常生活活動訓練」を実施する。作業療法士とは、医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職である。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。
3.〇 正しい。言語聴覚士は、「摂食機能療法」を実施する。言語聴覚士とは、言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、摂食・嚥下に関わる障害に対して、その発現メカニズムを明らかにし、検査と評価を実施し、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う専門職である。
4.× 臨床心理士は、「社会復帰援助」ではなく、心のアプローチを実施する。臨床心理士とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家である。認知行動療法は、医師やカウンセラー、臨床心理士のもとで受けることができる。ちなみに、社会復帰援助を主に実施する専門職は、社会福祉士の役割である。社会福祉士とは、社会福祉援助(ソーシャルワーク)を主に行う職種のものである。例えば、①障害や病気などの理由により福祉サービスを必要とする人々からの相談を受け、②他の福祉サービスの提供者・医療機関と連携し、③相談者の自立に向け、専門的な知識と技術で的確な助言や指導、その他の援助を行う。
問題18 脳卒中のリハビリテーション治療で積極的な練習を行ってよいのはどれか。
1.安静時収縮期血圧160mmHg
2.安静時拡張期血圧130mmHg
3.安静時脈拍130回/分
4.体温39.0℃
答え.1
解説
1.〇 正しい。安静時収縮期血圧160mmHgは、脳卒中のリハビリテーション治療で積極的な練習を行ってよい。
リハビリテーションの中止基準の積極的なリハを実施しない場合において、[2]安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上と定められている。
2.× 安静時拡張期血圧130mmHgは、積極的な練習を控える。
リハビリテーションの中止基準の積極的なリハを実施しない場合において、[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上と定められている。
3.× 安静時脈拍130回/分は、積極的な練習を控える。
リハビリテーションの中止基準の積極的なリハを実施しない場合において、[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上と定められている。
4.× 体温39.0℃は、積極的な練習を控える。
リハビリテーションの中止基準の積極的なリハを実施しない場合において、[11] 安静時体温が 38 度以上と定められている。
1. 積極的なリハを実施しない場合
[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上
[2] 安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上
[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上
[4] 労作性狭心症の方
[5] 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合
[6] 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合
[7] 著しい不整脈がある場合
[8] 安静時胸痛がある場合
[9] リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合
[10] 座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合
[11] 安静時体温が 38 度以上
[12] 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下
2. 途中でリハを中止する場合
[1] 中等度以上の呼吸困難,めまい,嘔気,狭心痛,頭痛,強い疲労感などが出現した場合
[2] 脈拍が 140/分を超えた場合
[3] 運動時収縮期血圧が 40mmHg 以上,または拡張期血圧が 20mmHg 以上上昇した場合
[4] 頻呼吸(30 回/分以上),息切れが出現した場合
[5] 運動により不整脈が増加した場合
[6] 徐脈が出現した場合
[7] 意識状態の悪化
3. いったんリハを中止し,回復を待って再開
[1] 脈拍数が運動前の 30%を超えた場合。ただし,2 分間の安静で 10%以下に戻らないときは以後のリハを中止するか,または極めて軽労作のものに切り替える
[2] 脈拍が 120/分を越えた場合
[3] 1 分間 10 回以上の期外収縮が出現した場合
[4] 軽い動悸,息切れが出現した場合
問題19 車いすのバックサポートにおける腋窩からの高さで、適切なのはどれか。
1.0~5cm
2.5~10cm
3.10~15cm
4.15~20cm
答え.2
解説
1.× 0~5cmは、低すぎる。
バックサポートが低すぎることで、背中が支えられず、車いす操作のときに不安定となりやすい。
2.〇 正しい。5~10cmは、車いすのバックサポートにおける腋窩からの高さである。
背中が適切に支えられ、姿勢の維持や車いすの操作が容易である。
3~4.× 10~15cm/15~20cmは、高すぎる。
バックサポートが高すぎることで、車いす操作(腕の動き)が制限されやすい。
・シート幅(座幅)=座位臀幅+(0~30)mm
・前座高=下腿長+60~80mm
・後座高=前座高-20~40mm
・フットサポート高=座位下腿長-クッション厚mm
・アームサポート高=座位膝頭高+(10~20)+クッション厚mm
・バックサポート高=座位腋下高+(70~100)+クッション厚mm
・シート奥行き(座長)=座底長-(50~70)mm
・バックサポート角度=90~95°
・グリップ高=介助者の臍~股関節の高さ
(※参考:「身体寸法と車いす寸法の合わせ方」財団法人テクノエイド協会様HPより)
問題20 脳卒中で右上下肢とも中等度麻痺を呈している。通常使わない補装具はどれか。
1.T字杖
2.前輪歩行器
3.短下肢装具
4.普通型車いす
答え.2
解説
1.× T字杖
脳卒中患者が歩行する際にバランスを保つために使用される。T字杖とは、歩行時における身体の支持やバランスを補助するために用いられる、前腕の固定部と支持部がない1本の脚による杖である。
2.〇 正しい。前輪歩行器は、中等度麻痺を呈している場合、通常使わない補装具である。
なぜなら、両手の操作を要求されるため。前輪歩行器とは、歩行器の前の二本の脚に車輪がついており、固定型よりも軽い力で動かすことができる歩行補助具である。腰や膝にかかる負担を軽減したり、歩行姿勢を安定させたりするもので、足腰や股関節に痛みがある人、筋力やバランス感覚が低下している人、麻痺や障害などにより歩行が困難な人に適している。
3.× 短下肢装具
脳卒中患者の歩行の際に足首の固定や安定性の向上のために使用される。短下肢装具とは、足首の関節の動きを制限し、固定・動揺・拘縮などの治療を目的とした装具である。
4.× 普通型車いす
脳卒中患者の歩行が困難な際に移動手段として用いられる。