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問題116 18歳の男子。ハンドボールの試合中、大腿前面に激しい痛みを自覚した。大腿前面に限局性の腫脹と圧痛、皮下出血がみられる。歩行時に痛みを訴え、膝関節の自動屈曲が困難である。
損傷の可能性が高いのはどれか。
1.大腿直筋
2.中間広筋
3.外側広筋
4.内側広筋
解答1
解説
・18歳の男子。
・ハンドボールの試合中、大腿前面に激しい痛み。
・大腿前面に限局性の腫脹と圧痛、皮下出血がみられる。
・歩行時に痛みを訴え、膝関節の自動屈曲が困難。
→本症例は、大腿四頭筋腱断裂(もしくは重度損傷)が疑われる。大腿四頭筋のうち二関節筋である大腿直筋が最も損傷しやすいことを覚えておこう。
1.〇 正しい。大腿直筋の損傷の可能性が高い。なぜなら、二関節筋である大腿直筋は、大腿四頭筋の中で最も損傷されやすいため。ハンドボールのような急加速・切り返し・キック様動作でも負荷が集中しやすい。
・大腿直筋の【起始】下前腸骨棘および寛骨臼の上縁、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、股関節屈曲、【支配神経】大腿神経:L2~L4である。
2.× 中間広筋より考えられるものがほかにある。なぜなら、単関節筋であるため。
・中間広筋の【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底、【作用】膝関節伸展、【神経】大腿神経:L2~L4である。
3.× 外側広筋より考えられるものがほかにある。なぜなら、単関節筋であるため。
・外側広筋の【起始】大転子の基部、殿筋粗面、外側大腿筋間中隔、大腿骨粗線の外側唇、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【支配神経】大腿神経である。
4.× 内側広筋より考えられるものがほかにある。なぜなら、単関節筋であるため。
・内側広筋の【起始】大腿骨転子間線の下部、大腿骨粗線の内側唇、【停止】膝蓋骨、脛骨粗面、【作用】膝関節伸展、【神経】大腿神経である。
問題117 20歳の男性。ラグビーの試合中、右膝外側からタックルを受けた。直後から右膝内側に強い痛みがあり、プレーを続行できなかった。来所時に撮影した膝内側の長軸超音波画像を下に示す。
画像所見でみられるのはどれか。

1.骨皮質の不整像
2.内側側副靱帯の肥厚
3.関節内遊離体
4.半月板の石灰化
解答2
解説

・20歳の男性。
・ラグビーの試合中:右膝外側からタックル。
・直後から右膝内側に強い痛みがあり。
・膝内側の長軸超音波画像:内側側副靱帯の肥厚。
→本症例は、内側側副靱帯の損傷が疑われる。膝内側の長軸超音波画像がどのように映るかおさえておこう。
1.× 骨皮質の不整像より考えられるものがほかにある。なぜなら、本症例の受傷機転と臨床像は、内側側副靭帯の損傷が疑われるため。ちなみに、超音波で、付着部裂離や骨表面病変がある場合に、骨皮質不整が見られる。
2.〇 正しい。内側側副靱帯の肥厚が画像所見でみられる。なぜなら、本症例は、内側側副靱帯の損傷が疑われるため。また、内側側副靱帯損傷の超音波でも、長軸像で靱帯の肥厚、低エコー化、線維走行の乱れが見られる。
3.× 関節内遊離体より考えられるものがほかにある。なぜなら、関節内遊離体は関節内病変であるため。長軸超音波で第一に問われる所見ではない。
・関節遊離体とは、関節ねずみともいい、肘や膝などの関節部分にある骨や軟骨がはがれ落ち、関節内を動き回る物をいう。
4.× 半月板の石灰化より考えられるものがほかにある。なぜなら、石灰化は慢性症状であるため。半月板石灰化は、変性や結晶沈着と関係する所見で急性に起こるものではない。本症例は、急性外傷直後の典型的な内側側副靭帯損傷所見である。
問題118 16歳の男子。6歳からサッカーをしている。1か月前から右膝外側の疼痛を自覚するようになった。しばらく様子をみていたが、症状が継続するため来所した。膝関節の腫れはみられない。
考えられないのはどれか。
1.鵞足炎
2.ランナー膝
3.円板状半月
4.滑膜ヒダ障害
解答1
解説
・16歳の男子。
・6歳からサッカーをしている。
・1か月前から右膝外側の疼痛を自覚。
・症状が継続する。
・膝関節の腫れはみられない。
→それぞれ理由を挙げられるようにしよう。
1.〇 正しい。鵞足炎が考えられない。なぜなら、鵞足炎は、膝内側にある痛みが起こるため。
・鵞足炎とは、膝下の内側にある鵞足部周辺が炎症を起こしている状態である。 鵞足とは、薄筋・縫工筋・半腱様筋がついている部位のことを指す。
2.× ランナー膝は考えられる。
・ランナー膝とは、腸脛靱帯炎ともいい、膝の屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靱帯が大腿骨外顆と接触して炎症(滑膜炎)を起こし、疼痛が発生している状態を指す。特にマラソンなどの長距離ランナーに好発し、ほかにバスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエ等にも多い。
3.× 円板状半月は考えられる。なぜなら、円板状半月の多くが外側半月に生じるため。
・円板状半月とは、膝関節にある半月板が生まれつき三日月形ではなく円盤状に厚く、丸くなっている先天性の形態異常である。特に、膝の外側に多く見られ、損傷しやすく痛みや引っかかり感、ロッキング(膝が動かなくなる)などの症状を引き起こす。
4.× 滑膜ヒダ障害は考えられる。なぜなら、滑膜ヒダ障害は、典型的には前方〜内側膝痛が多いものの、膝の滑膜ヒダ障害自体は若年スポーツ選手の反復使用で起こりうるうえ、まれに外側ヒダによる外側痛も報告されているため。
・滑膜ヒダ障害とは、膝関節の関節包内にあるひだ状の部分で、膝の屈伸時にクリック音を触知する特徴がある症状である。つまり、滑膜ヒダが膝関節内で引っかかり、嵌頓症状を引き起こす。ほかにも、運動時に疼痛や違和感を生じる。膝関節の膝蓋内側滑膜ヒダが屈伸運動時に膝蓋骨と大腿骨内側課との間に挟まり機能的刺激を受けて肥厚する。内側滑膜ヒダは関節鏡で見ると棚のようにみえることから、タナ障害とも呼ぶ。
問題119 40歳の男性。バドミントンでジャンプして着地した際、右下腿部に棒で殴られたような衝撃を感じプレー続行不能となった。術者が左手で下腿部を把持した状態の写真を下に示す。
初期の固定肢位で正しいのはどれか。

1.膝関節伸展位・足関節背屈位
2.膝関節伸展位・足関節底屈位
3.膝関節軽度屈曲位・足関節背屈位
4.膝関節軽度屈曲位・足関節底屈位
解答4
解説
・40歳の男性(バドミントン中)。
・ジャンプし着地:右下腿部に棒で殴られたような衝撃を感じた。
・プレー続行不能。
・写真:トンプソンテスト陽性。【方法】患者さんに立て膝をついてもらい、膝を90度曲げ、ふくらはぎを握る。足首より下の部分が動かなければ、陽性となる。
→本症例は、アキレス腱断裂が疑われる。
1.× 膝関節伸展位・足関節背屈位
3.× 膝関節軽度屈曲位・足関節背屈位
これら、足関節背屈位にすると、アキレス腱が伸ばされ、伸張ストレスが加わり治癒を遅延する可能性が高い。
2.× 膝関節伸展位・足関節底屈位
膝関節伸展位にすると、腓腹筋(アキレス腱)が伸ばされ、伸張ストレスが加わり治癒を遅延する可能性が高い。腓腹筋の【起始】外側頭:大腿骨外側上顆、内側頭:大腿骨内側上顆、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部である。したがって、膝関節伸展位にて足関節背屈することで伸張する。
4.〇 正しい。膝関節軽度屈曲位・足関節底屈位は、初期の固定肢位である。
・アキレス腱断裂は、完全断裂と部分断裂にわけられる。したがって、断裂の程度に応じて保存療法と手術療法のどちらかに選択される。
【保存療法の治療】最大6週間、アキレス腱にストレスが加わらないようにする。大腿中央から足MP関節手前まで副子固定を行い、膝関節:90°屈曲位、足関節:最大底屈位または自然下垂位にする。このときに、踵部は、アキレス腱断裂の固定において圧迫がかかりやすい部位である。固定装置が踵部に適切な圧力を与えることで、アキレス腱の治療に必要な安定性が確保されるが、その反面、皮膚障害が生じやすい。
問題120 25歳の男性。サッカーの練習中、ダッシュした際に左下腿内側に「ブチッ」という音とともに強い痛みを自覚したため直ちに来所した。患部に腫脹と圧痛がみられ、疼痛のためつま先立ちが不能である。
来所時の対応で正しいのはどれか。
1.温熱モードの超音波療法を行う。
2.他動的に軽度足関節を動かす。
3.患部を冷却し、圧迫と挙上を行う。
4.患部に低周波通電療法を行う。
解答3
解説
・25歳の男性。
・ダッシュした際:左下腿内側に「ブチッ」という音とともに強い痛み。
・患部に腫脹と圧痛がみられ、疼痛のためつま先立ちが不能である。
→本症例は、下腿三頭筋の肉離れが疑われる。炎症の初期の対応をおさえておこう。
1.× 温熱モードの超音波療法を行う「必要はない」。なぜなら、急性の軟部組織損傷では、温熱は血流を増やして炎症症状を悪化させうるため。
2.× 他動的に軽度足関節を動かす「必要はない」。なぜなら、関節運動により、さらに軟部組織の損傷を助長させうるため。
3.〇 正しい。患部を冷却し、圧迫と挙上を行う。炎症4徴候として、疼痛や腫脹、発赤、熱感があげられる。基本的に、RICE処置を実施する。
・RICE処置とは、疼痛を防ぐことを目的に患肢や患部を安静(Rest)にし、氷で冷却(Icing)し、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)し、患肢を挙上すること(Elevation)である。頭文字をそれぞれ取り、RICE処置といわれる。
4.× 患部に低周波通電療法を行うより優先されるものがほかにある。なぜなら、本症例のような急性損傷直後は、冷却・圧迫・挙上が優先であるため。
・低周波通電療法とは、皮膚に貼った電極から低い周波数の微弱な電流を流し、神経や筋に刺激を与える物理療法である。痛みの伝達を抑えたり、筋収縮を起こして血流改善や筋萎縮予防を図ったりする目的で用いられる。
国試オタク 