第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午後76~80】

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問題76 腰椎の横突起骨折の検査はどれか。

1.パトリックテスト
2.ルドロフ徴候
3.ヒップテスト
4.パイル徴候

解答

解説
1.× パトリックテストは、股関節の炎症や痛みのテストである。背臥位で評価側の足背を反対側の膝蓋骨に載せ、評価側の膝を床へ押さえる。鼠径部に痛みが出れば陽性である。

2.× ルドロフ徴候とは、大腿骨の小転子が腸腰筋の収縮によって引きちぎられる「裂離骨折」をしたときに起こる徴候である。イスなどに座ったときに、膝関節以上に足を上げることができなくなるが、あおむけになった場合は可能となる所見である。

3.× ヒップテストとは、仙腸関節の異常を見る検査である。腹臥位にて膝関節90度屈曲位にて、股関節を内旋する。このとき、仙腸関節に痛みが発生すれば異常を意味する。

4.〇 正しい。パイル徴候は、腰椎の横突起骨折の検査である。
・パイル徴候とは、腰椎横突起骨折でみられる所見で、体幹を健側へ側屈させると骨折部の痛みが増強する現象である。腰方形筋など付着筋の牽引で痛みが強まるため、診断の手掛かりとなる(Payr′s sign)。

 

 

 

 

 

問題77 肩甲骨骨折で肩関節前方脱臼と外観が類似するのはどれか。

1.骨体部骨折
2.上角骨折
3.頸部骨折
4.肩峰骨折

解答

解説

肩関節前方脱臼とは?

烏口下脱臼とは、肩関節前方脱臼(約90%)のひとつである。上腕骨頭が肩甲骨関節窩から前方に脱臼した症状で、①烏口下脱臼と②鎖骨下脱臼に分類される。関節全体を覆う袋状の関節包と靭帯の一部が破れ、突き出た上腕骨頭が烏口突起の下へすべることで起こる脱臼である。介達外力が多く、後方から力が加わる、転倒するなどで手を衝くことで過度の伸展力が発生した場合(外旋+外転+伸展)などに起こる。症状として、①弾発性固定、②関節軸の変化(骨頭は前内方偏位、上腕軸は外旋)、③脱臼関節自体の変形(三角筋部の膨隆消失、肩峰が角状に突出、三角筋胸筋三角:モーレンハイム窩の消失)、④上腕仮性延長、⑤肩峰下は空虚となり、烏口突起下に骨頭が触知できる。

【固定】①材料:巻軸包帯、副子(肩関節前後面にあてる)、腋窩枕子、三角巾。②肢位と範囲:肩関節軽度屈曲・内旋位で肩関節のみ。③期間:30歳代以下は5~6週間、40歳代以上は3週間

1~2.× 骨体部骨折/上角骨折/肩峰骨折
これらよりも肩関節前方脱臼と外観が類似するものが他にある

3.〇 正しい。頸部骨折は、肩甲骨骨折で肩関節前方脱臼(特に、肩関節烏口下脱臼)と外観が類似する。なぜなら、両者とも上腕骨の近位骨片は軽度内転、遠位骨片は軽度外転を伴いやすいため。

 

 

 

 

 

問題78 上腕骨骨幹部骨折で神経損傷が合併した場合に障害されないのはどれか。

1.長母指外転筋
2.短母指外転筋
3.橈側手根伸筋
4.尺側手根伸筋

解答

解説

上腕骨骨幹部骨折とは?

・上腕骨骨幹部骨折とは、上腕部での疼痛、変形、不安定性が出現する。骨折した部分の骨が皮膚を突き破る開放骨折になることもある。損傷しやすい神経は橈骨神経である。

・橈骨神経は上腕骨の骨幹部後面にある橈骨神経溝に沿って骨のすぐ近くを走るため、骨折時に骨片で圧迫・牽引・挫滅されやすいからである。すると手首や指が伸ばしにくくなることがある。

1.〇 長母指外転筋の【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近、【作用】母指外転、【支配神経】橈骨神経深枝である。

2.× 短母指外転筋は、上腕骨骨幹部骨折で神経損傷が合併した場合に障害されない。
・短母指外転筋の【起始】舟状骨結節、屈筋支帯の橈側端前面、【停止】種子骨、母指基節骨底、一部は指背腱膜、【作用】母指外転、屈曲、【支配神経】正中神経である。

3.〇 (長)橈側手根伸筋の【起始】上腕骨外側縁、外側上顆および外側上腕筋間中隔、【停止】第2中手骨底の背面橈側、【作用】手関節の背屈、橈屈、【神経】橈骨神経である。

4.〇 尺側手根伸筋の【起始】上腕頭:上腕骨の外側上顆、尺骨頭:尺骨後縁上部、【停止】第5中節骨底の尺側、【作用】手関節の背屈、尺屈、【支配神経】橈骨神経深枝である。

 

 

 

 

 

問題79 円回内筋付着部より近位の前腕骨骨幹部骨折で遠位骨片に作用するのはどれか。

1.回外筋
2.上腕筋
3.上腕二頭筋
4.方形回内筋

解答

解説

円回内筋について

円回内筋の【起始】上腕頭:上腕骨内側上顆と内側上腕筋間中隔、尺骨頭:尺骨鈎状突起内側、【停止】橈骨外側面の中央部、【作用】肘関節回内、屈曲、【支配神経】正中神経である。

1.× 回外筋の【起始】上腕骨外側上顆、尺骨の回外筋稜、肘関節包後面、橈骨輪状靭帯、【停止】橈骨上部外側面、【作用】前腕回外、【支配神経】橈骨神経深枝である。

2.× 上腕筋の【起始】上腕骨の内側および外側前面の下半、内・外側の筋間中隔、肘関節包前面(広い)、【停止】鈎状突起と尺骨粗面(肘関節包)、【作用】肘関節屈曲、【支配神経】筋皮神経(外側は橈骨神経)である。

3.× 上腕二頭筋の【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散、【作用】肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)、【神経】筋皮神経である。

4.〇 正しい。方形回内筋は、円回内筋付着部より近位の前腕骨骨幹部骨折で、遠位骨片に作用する。前腕骨幹部骨折における骨片転位の基本は、近位骨片=上腕二頭筋・回外筋で回外、遠位骨片=方形回内筋で回内である。
・方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面、【作用】前腕の回内、【神経】正中神経である。

 

 

 

 

 

問題80 野球バットのグリップエンドに手掌部が衝突することで生じるのはどれか。

1.三角骨骨折
2.有鈎骨骨折
3.月状骨骨折
4.大菱形骨骨折

解答

解説

(※引用:「イラスト素材:手の骨」illustAC様より)

1.3~4.× 三角骨骨折/月状骨骨折/大菱形骨骨折より優先されるものが他にある

2.〇 正しい。有鈎骨骨折は、野球バットのグリップエンドに手掌部が衝突することで生じる。なぜなら、有鈎骨骨折の原因は、野球やゴルフ、テニスのスイング動作の繰り返しによる疲労骨折で、グリップエンド側(下の手)に発症するため。症状として、手のひらの小指側に痛みを感じることが多く、痛みで握ることや手首を反らすことが困難になる。また、骨折により神経が損傷された場合は痺れなどを感じることもある。

 

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