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問題16 発生について正しいのはどれか。
1.精子と卵子は腟内で受精する。
2.着床は桑実胚の段階で起こる。
3.真皮は中胚葉から分化する。
4.胎盤では母体と胎児の血液が混ざり合う。
解答3
解説
(図引用:「女性器の解剖と整理」医学出版様より)
1.× 精子と卵子は、「腟内」ではなく卵管膨大部で受精する。
受精とは、精子と卵子が合体融合して、受精卵が生じる現象を指す。受精は卵管膨大部で起こる。男性から射精された精子と卵巣から排卵された卵子は卵管内で受精卵となり、分裂を繰り返しながら卵管を輸送され、子宮内膜に着床し、妊娠が成立する。
2.× 着床は、「桑実胚」ではなく胚盤胞の段階で起こる。
桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。
胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。
3.〇 正しい。真皮は、中胚葉から分化する。
【各胚葉に由来する器官】
外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)
4.× 胎盤で、母体と胎児の血液が混ざり合うことはない。
胎盤の中には、ろ紙のような特別な膜があって、うまく酸素や栄養のようなものだけを通しながら、赤ちゃんとお母さんの血液自体は分けることができている。また、胎児循環とは、胎児における血液の流れ方のことで、肺のかわりを胎盤が果たす胎盤循環が主体である。胎児の下腹部で大動脈から出た左右の臍動脈は、胎盤で母体の血液とガス交換および栄養分・老廃物交換を行った後、1本の臍静脈として胎児体内に戻る。その後肝臓を通じ、あるいは静脈管を通って下大静脈から右心房に入る。この血液と上大静脈から右心房に入った血液の大部分は、心房中隔にあいている卵円孔を通じて直接左心房に移り、左心室から大動脈に出る。一部の右心房から右心室に入った血液は、肺動脈に出るが、肺がまだ活動していないので、その主体は動脈管を通じて大動脈に流入する。
卵割球
・前核期胚(1日目)
・4分割期胚(2日目)
・8分割期胚(3日目)
桑実胚(4日目):割球が16個から32個の状態を指す。
胚盤胞(5日目):胎盤と胎児になる部分が確認できる状態になっているより成長した胚。
問題17 椎骨で黄色靱帯が付着するのはどれか。
1.椎体
2.椎弓
3.横突起
4.棘突起
解答2
解説
1.× 椎体
前縦靱帯とは、脊椎椎体の前縁を上下に連結する靭帯である。
後縦靱帯とは、脊椎椎体の後縁を上下に連結する靭帯である。
2.〇 正しい。椎弓は、椎骨で黄色靱帯が付着する。
黄色靭帯は、椎弓間を連結する。椎弓は、後方に存在し、椎弓の両脇に存在する椎間関節により結びつけられていると同時に、椎弓の間は黄色靭帯でつながっている。黄色靭帯は、軸椎から第1仙椎までの上下に隣り合った椎骨の椎弓板の間に張る靭帯である。つまり、脊柱管の側後壁に沿って走行する。
3.× 横突起/棘突起
横突起とは、椎弓から外側に向かって突出する1対の突起である。棘突起とは、背側に突出する突起である。横突起は棘突起とともに多くの固有背筋群に付着点を提供する。
問題18 背部の筋で正しいのはどれか。
1.菱形筋は肩甲骨を上内方に引く。
2.板状筋は脊柱起立筋の一つである。
3.後頭下筋群は大後頭神経に支配される。
4.横突棘筋で長さが最も短いのは多裂筋である。
解答1
解説
1.〇 正しい。菱形筋は肩甲骨を上内方に引く。
菱形筋には、大菱形筋と小菱形筋がある。菱形筋の神経は、肩甲背神経である。ちなみに、大菱形筋の【起始】第2~4胸椎の棘突起および棘上靭帯、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より下部)である。また、小菱形筋の【起始】下部項靭帯、第7頸椎と第1胸椎の棘突起、【停止】肩甲骨内側縁(肩甲棘より上部)である。
2.× 板状筋は脊柱起立筋の一つではない。
脊柱起立筋は、腸肋筋、最長筋、棘筋があげられる。ちなみに、頭板状筋の作用は、「片側が働けば頭と頚をその側に回転し、かつその方向に傾ける。両側が同時に働けば頭と頚を後ろに反らせる(背屈)。」である。つまり、頭頸部の伸展、頚部の同側側屈、同側回旋である。
3.× 後頭下筋群は、「大後頭神経」ではなく後頭下神経に支配される。
大後頭神経は、深後頸部筋を支配する。ちなみに、後頭下筋群とは、後頭部から首を繋ぐ小さな筋肉(小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋)をまとめた呼び方である。
4.× 横突棘筋で長さが最も短いのは、「多裂筋」ではなく回旋筋である。
横突棘筋には半棘筋、多裂筋、回旋筋がある。
問題19 内腸骨動脈の枝はどれか。
1.上直腸動脈
2.上殿動脈
3.内側大腿回旋動脈
4.卵巣動脈
解答2
解説
①下腹壁動脈
②深腸骨回旋動脈
1.× 上直腸動脈は、外腸骨動脈の枝である。
上直腸動脈とは、直腸に血液を供給するために骨盤内に下降する動脈である。直腸に分布する動脈は、上・中・下と3つの直腸動脈がある。
上直腸動脈:下腸間膜動脈の枝。
中直腸動脈:内腸骨動脈の枝。
下直腸動脈:内陰部動脈の枝。
2.〇 正しい。上殿動脈は、内腸骨動脈の枝である。
【内腸骨動脈の枝】
①臓側枝:臍動脈、下膀胱動脈、精管動脈・子宮動脈、中直腸動脈、内陰部動脈。
②壁側枝:腸腰動脈、外側仙骨動脈、閉鎖動脈、上殿動脈、下殿動脈である。
3.× 内側大腿回旋動脈は、外腸骨動脈の枝である。
内側大腿回旋動脈とは、大腿骨頭に栄養を与える3本の血管の1つである。他の2本は、大腿骨頭動脈と外側大腿回旋動脈である。
4.× 卵巣動脈は、外腸骨動脈の枝である。
卵巣動脈は、腹大動脈から分岐し、尿管の前を下外方に走り卵巣に達する動脈である。ちなみに、卵巣動脈の枝は卵管も栄養する。卵巣静脈は大静脈が背骨より右側にあるため、右は大静脈に、左は腎静脈に合流する。また、卵巣固有靱帯(固有卵巣索)とは、卵巣を骨盤壁に固定している靭帯の一つである。
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問題20 胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れているのはどれか。
1.臍静脈
2.下大静脈
3.上行大動脈
4.臍動脈
解答1
解説
1.〇 正しい。臍静脈は、胎児循環で酸素を最も多く含む血液が流れている。
臍静脈の酸素分圧(酸素飽和度)は90%である。臍静脈とは、胎児循環で胎盤から胎児に血液を送る血管である。胎盤で酸素と栄養を受け取った動脈血の約50%は、臍帯の臍静脈を経て胎児の体内に入り、胎児の静脈管を通過して下大静脈に合流する。つまり、胎児は胎盤で主にガス交換を行う。
2.× 下大静脈(右心房)の酸素分圧(酸素飽和度)は55%である。
3.× 上行大動脈(左心室)の酸素分圧(酸素飽和度)は65%である。
4.× 臍動脈の酸素分圧(酸素飽和度)は60%である。
臍動脈とは、胎児循環で胎児から胎盤に血液を送る血管のことである。したがって、胎児の体内で発生した二酸化炭素や老廃物を多く含む静脈血が流れる。
(※図引用:「看護師イラスト集」看護roo!)