第30回(R4年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後91~95】

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専門科目

問題91 陰陽の関係で「寒い日には活動して冷えすぎないようにする」のはどれか。

1.陰陽互根
2.陰陽消長
3.陰陽制約
4.陰陽転化

解答

解説

陰陽論

陰陽可分:陰と陽に分けられること。陰陽は条件により細分化できる。
陰陽互根:陰陽の相互依存。相反する属性により成り立っている。
陰陽消長:陰陽の量的変化。陰虚すれば陽実し、陽虚すれば陰実する(例:真夜中から陰が減り、陽が増えることで昼となる。)。
陰陽転化:陰陽の質的変化。陰極まれば陽となり陽極まれば陰となる。
陰陽制約:陰と陽は対立するものであり、互いに制約し合っている(例:暑い日には静かにすることで熱くなりすぎないようにする)。

1.× 陰陽互根
陰陽互根とは、陰陽の相互依存で、相反する属性により成り立っていることである。

2.× 陰陽消長
陰陽消長とは、陰陽の量的変化で、陰虚すれば陽実し、陽虚すれば陰実することである。例えば、真夜中から陰が減り、陽が増えることで昼となる。

3.〇 正しい。陰陽制約は、陰陽の関係で「寒い日には活動して冷えすぎないようにする」。
陰陽制約とは、陰と陽は対立するものであり、互いに制約し合っているものである。例えば、暑い日には静かにすることで熱くなりすぎないようにする。

4.× 陰陽転化
陰陽転化とは、陰と陽は対立するものであり、互いに制約し合っているものである。例えば、暑い日には静かにすることで熱くなりすぎないようにする。

 

 

 

 

 

問題92 血瘀の症状はどれか。

1.筋けいれん
2.顔面蒼白
3.視力減退
4.色素沈着

解答

解説
1~3.× 筋けいれん/顔面蒼白/視力減退は、血虚の症状である。
血虚は、眩暈、顔面蒼白、動悸、不眠、健忘、目のかすみ、しびれ、痙攣、月経痛、経少、経色淡白、視力減退、爪の変形などが当てはまる。

4.〇 正しい。色素沈着は、血瘀の症状である。
血瘀は、疼痛(固定痛・刺痛、夜間に増悪)、腫脹、腫塊、肌膚甲錯。瘀斑、月経痛・血塊、皮下出血斑、色素沈着、紫舌・暗紅舌などが当てはまる。

 

 

 

 

 

問題93 気血を化生する臓が剋する臓について正しいのはどれか。

1.血を主る。
2.魂を蔵する。
3.発汗を調節する。
4.耳に開竅する。

解答

解説
1.3.× 血を主る(主血)、発汗を調節する
これは、心である。血を送り出し、神志(生命活動を維持し、精神活動を主宰)をする。心は舌、汗、血脈、面・色、神、喜、苦などに関わる。

2.× 魂を蔵する
これは、肝である。肝は、目、涙、筋、爪、魂、怒、酸などに関わる。

4.〇 正しい。耳に開竅する
開竅(※読み:かいきょう)とは、五臓の機能が反映されやすい器官のことである。気血を化生する臓は、である。脾が剋する臓は、である。腎は、骨、髓、髪、耳、二陰、唾、志、恐、驚、鹹などに関わる。

 

 

 

 

 

問題94 全身の陽気を主る臓腑と表裏関係にある臓腑の生理作用はどれか。

1.受盛
2.治節
3.降濁
4.納気

解答

解説

全身の陽気を主る臓腑

全身の陽気を主る臓腑は、心である。
【心の生理と特性】
生理: ①主血(血、脈を主る(血を送り出す))、②神志(生命活動を維持し、精神活動を主宰する)
特性: ①陽気を主る(全身を温煦する)、②(臓腑)を統括する。
関連:(舌、汗、血脈、面・色、神、喜、苦)などに関わる。君主の官、生の本、神明出づ

1.〇 正しい。受盛は、全身の陽気を主る臓腑と表裏関係にある臓腑の生理作用である。
全身の陽気を主る臓腑は、である。表裏関係にある臓腑は、小腸である。受盛は、胃で消化吸収された飲食物を小腸が受け入れる機能のことである。

2.× 治節は、肺である。
肺の生理として、主気があげられ、呼吸を主る(治節)である。

3.× 降濁は、胃である。
降濁作用とは、胃が消化した飲食物の残りを小腸に送る働きである。胃は、残った粕(濁)を小腸に送ることで、新たに飲食物を受け入れることができる。胃と脾は表裏の関係にあり、脾の昇清作用と胃の降濁作用により栄養を全身に送っている。

4.× 納気は、腎である。
腎の生理として、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)などがあげられる。

 

 

 

 

 

問題95 外邪とその特徴の組合せで正しいのはどれか。

1.風邪:動血
2.暑邪:昇散
3.湿邪:凝滞
4.寒邪:重濁

解答

解説

六淫とは?

風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
寒邪:陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
暑邪(熱邪):陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
湿邪:陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
燥邪:陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
火邪(熱邪):陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。

1.× 動血は、「風邪」ではなく火邪(熱邪)の特徴である。

2.〇 正しい。昇散は、暑邪の特徴である。

3.× 凝滞は、「湿邪」ではなく寒邪の特徴である。

4.× 重濁は、「寒邪」ではなく湿邪の特徴である。

 

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