第31回(R5年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後111~115】

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問題111 手の三陽経、足の三陽経が交わる交会穴はどれか。

1.百会
2.大椎
3.陽交
4.三陽絡

解答

解説
1.× 百会(※よみ:ひゃくえ)
百会とは、頭のてっぺんにあるツボで、前髪際の後方5寸に位置する督脈である。

2.〇 正しい。大椎(※よみ:だいつい)は、手の三陽経、足の三陽経が交わる交会穴である。
大椎とは、首を前に倒したとき、首と背中の付け根に飛び出る骨の下にあるツボで、第7頚椎と第1胸椎の間にある。壮陽・温陽の効果がある。ちなみに、第7頚椎は椎骨の中で一番大きいため、大椎と名付けられた。

3.× 陽交(※よみ:ようこう)
陽交とは、下腿の外側にあるツボで、外果尖の上方7寸にある足の小陽胆経である。外丘と飛揚(膀胱経)との間にある。

4.× 三陽絡(※よみ:さんようらく)
三陽絡とは、手の甲側で、尺骨と橈骨の骨間の中点、手関節背側横紋の上方4寸にある手の少陽三焦経である。

 

 

 

 

 

問題112 骨度で左右の乳様突起の間と同じ長さなのはどれか。

1.外果尖の高さから承山
2.膝蓋骨尖の高さから漏谷
3.肘窩横紋から内関
4.手関節背側横紋から四瀆

解答

解説
1.× 外果尖の高さから承山
外果尖は、足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部のことをいう(※読み:がいかせん)。
承山は、下腿後面、腓腹筋筋腹とアキレス腱の移行部のことをいう(※読み:しょうざん)。

2.〇 正しい。膝蓋骨尖の高さから漏谷は、骨度で左右の乳様突起の間と同じ長さである。
骨度で左右の乳様突起の間と同じ長さは、9寸である。
膝蓋骨尖は、膝蓋骨底ともいい、膝蓋骨の下端のとがった部分のことである。(※読み:しつがいこつせん)
漏谷は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方6寸のことをいう(※読み:ろうこく)。

3.× 肘窩横紋から内関は、
肘窩横紋は、肘を曲げると腕の内側にできる窪みのこと(※読み:ちゅうかおうもん)。
内関は、前腕前面、長掌筋腱と橈側手根屈筋腱の間、手関節掌側横紋の上方2寸のことをいう(※読み:ないかん)。

4.× 手関節背側横紋から四瀆
手関節背側横紋は、手関節の背面にある横紋のことである。
四瀆は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、肘頭の下方5寸のことをいう(※読み:しとく)。

骨度法とは?

骨度法とは、骨を基準にして、身体各所の長さを尺寸によって定める方法である。

骨度法:1尺10寸、1寸10分
【頭顔面部】
前髪際中点~後髪際中点:1尺2寸
眉間~前髮際中点:3寸
両額角際間:9寸
両乳様突起間:9寸

【胸腹部】
頸切痕~胸骨体端:9寸
胸骨体下端~臍中央:8寸
臍中央~恥骨結合上縁:5寸
両乳頭間:8寸

【上肢】
左右の肩甲棘内端縁間:6寸
中指尖~手関節横紋:8寸5分
腋窩横紋前端または後端~肘窩:9寸
肘窩~手関節横紋:1尺2寸

【下肢】
恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁:1尺8寸
膝蓋骨尖~内果尖:1尺5寸
脛骨内側顆下縁~内果尖:1尺3寸
脛骨内側顆下縁~膝蓋骨尖:2寸
大転子頂点~膝窩:1尺9寸
殿溝~膝窩:1尺4寸
膝窩~外果尖:1尺6寸
内果尖~足底:3寸
足指尖~踵(足底):1尺2寸

 

 

 

 

 

問題113 腹部において、腎経、胃経ともに同じ高さに経穴がないのはどれか。

1.臍中央の上方7寸
2.臍中央の上方3寸
3.臍中央の上方1寸
4.臍中央の下方4寸

解答

解説
1.× 臍中央の上方7寸は、腹部において、腎経、胃経ともに同じ高さに経穴がない。

2.〇 臍中央の上方3寸には、建里が位置する。
建里(※読み:けんり)は、上腹部、前正中線上、臍中央の上方3寸にある。

3.〇 臍中央の上方1寸には、水分が位置する。
水分(※読み:すいぶん)は、上腹部、前正中線上、臍中央の上方1寸にある。

4.〇 臍中央の下方4寸には、中極が位置する。
中極(※読み:ちゅうきょく)は、下腹部、前正中線上、臍中央の下方4寸にある。

臍中央から

・中極(※読み:ちゅうきょく):下腹部、前正中線上、臍中央の下方4寸
・関元(※読み:かんげん):下腹部、前正中線上、臍中央の下方3寸
・石門(※読み:せきもん):下腹部、前正中線上、臍中央の下方2寸
・気海(※読み:きかい):下腹部、前正中線上、臍中央の下方1寸5分
・陰交(※読み:いんこう):下腹部、前正中線上、臍中央の下方1寸
・神闕(※読み:しんけつ):上腹部、臍の中央
・水分(※読み:すいぶん):上腹部、前正中線上、臍中央の上方1寸
・下脘(※読み:げかん):上腹部、前正中線上、臍中央の上方2寸
・建里(※読み:けんり):上腹部、前正中線上、臍中央の上方3寸
・中脘(※読み:ちゅうかん):上腹部、前正中線上、臍中央の上方4寸
・上脘(※読み:じょうかん):上腹部、前正中線上、臍中央の上方5寸
・巨闕(※読み:こけつ):上腹部、前正中線上、臍中央の上方6寸

 

 

 

 

 

問題114 督脈の経穴がある部位はどれか。

1.第2胸椎棘突起下方の陥凹部
2.第4胸椎棘突起下方の陥凹部
3.第6胸椎棘突起下方の陥凹部
4.第8胸椎棘突起下方の陥凹部

解答

解説
1~2/4.× 第2胸椎棘突起下方の陥凹部/第4胸椎棘突起下方の陥凹部/第8胸椎棘突起下方の陥凹部
これらは、督脈の経穴がない。

3.〇 正しい。第6胸椎棘突起下方の陥凹部は、督脈の経穴がある部位である。
霊台(※読み:れいだい)は、上背部、後正中線上、第6胸椎棘突起下方の陥凹部にある。

 

 

 

 

 

問題115 顖会について正しいのはどれか。

1.所属する経脈の21番目の経穴である。
2.小児では小泉門部にあたる。
3.眼神経の支配領域にある。
4.目窓と横に並ぶ。

解答

解説

顖会とは?

督脈(28穴)の22番目である。顖会(※読み:しんえ)は、頭部、前正中線上、前髪際の後方2寸である。小児では大泉門部にあたる。眼神経の支配領域にある。
・筋:帽状腱膜、前頭筋、顔面神経
・皮枝:眼神経(三叉神経第1枝)
・血管:眼窩上動脈

1.× 所属する経脈の「21番目」ではなく22番目の経穴である。

2.× 小児では、「小泉門部」ではなく大泉門部にあたる。

3.〇 正しい。眼神経の支配領域にある
皮枝は、眼神経(三叉神経第1枝)である。

4.× 目窓と横に並ばない
目窓(※読み:もくそう)は、頭部、前髪際から入ること1寸5分、瞳孔線上である。
・筋:帽状腱膜、皮枝:眼神経(三叉神経第1枝)、血管:眼窩上動脈・浅側頭動脈である。

 

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