第31回(R5年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前26~30】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

問題26 内分泌器官と分泌されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。

1.甲状腺:サイロキシン
2.膵臓:アドレナリン
3.副腎髄質:エストロゲン
4.卵巣:インスリン

解答

解説
1.〇 正しい。甲状腺:サイロキシン
甲状腺ホルモンとは、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があり、新陳代謝を調節しているため。脈拍数や体温、自律神経の働きを調節し、エネルギーの消費を一定に保つ働きがある。

2.× アドレナリンは、「膵臓」ではなく副腎髄質である。
アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎髄質で合成・分泌されるホルモンである。主な作用は、心拍数や血圧上昇などがある。自律神経の交感神経が興奮することによって分泌が高まる。

3.× エストロゲンは、「副腎髄質」ではなく卵巣である。
エストロゲンとは、卵巣から分泌され、女性らしさをつくる作用を持つ。成長とともに分泌量が増え、生殖器官を発育・維持させる働きをもっている。女性らしい丸みのある体形をつくったり、肌を美しくしたりする作用もあるホルモンである。分泌量は、毎月の変動を繰り返しながら20代でピークを迎え、45~55歳の更年期になると急激に減る。

4.× インスリンは、「卵巣」ではなく膵臓である。
インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。

グルカゴンとは?

膵臓のランゲルハンス島からは、①インスリン、②グルカゴン、③ソマトスタチンが分泌される。
①インスリンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖低下、②脂肪合成の作用がある。

②グルカゴンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるα細胞から分泌されるホルモンの一種で、①血糖上昇、②脂肪分解の作用がある。

③ソマトスタチンとは、膵臓のランゲルハンス島にあるγ細胞から分泌されるホルモンの一種で、成長ホルモン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、セクレチンの分泌抑制の作用がある。

 

 

 

 

 

問題27 脂質について正しいのはどれか。

1.コレステロールはコルチゾールの前駆物質である。
2.リン脂質はヘモグロビンの構成成分である。
3.中性脂肪は1分子のグリセロールと2分子の脂肪酸からなる。
4.脂肪酸の多くは水溶性物質である。

解答

解説
1.〇 正しい。コレステロールはコルチゾールの前駆物質である
コルチゾールとは、副腎皮質で合成・分泌されるホルモンで、血糖値の上昇や脂質・蛋白質代謝の亢進、免疫抑制・抗炎症作用、血圧の調節など、さまざまな働きがある。過剰になるとクッシング症候群、不足するとアジソン病を引き起こす。

2.× リン脂質は、「ヘモグロビン」ではなく細胞膜の構成成分である。
リン脂質とは、細胞膜を形成する主な成分で、体内で脂肪が運搬・貯蔵される際にたんぱく質と結びつける役割を担い、情報伝達にも関わる。リン酸と脂質から構成されている。ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。

3.× 中性脂肪は、1分子のグリセロールと「2」ではなく3分子の脂肪酸からなる。
中性脂肪(トリグリセリド)とは、脂肪酸が3本、グリセロールと呼ばれる物質で束ねられた構造をしている。中性脂肪は、エネルギー源となったり体温を一定に保つ役割をしており、人間の身体にとってなくてはならないものである。しかし中性脂肪が増えすぎると、余ったものは肝臓や脂肪組織に蓄積し、脂肪肝、肥満の原因である。

4.× 脂肪酸の多くは、「水溶性物質」ではなく脂質性物質である。
脂肪酸とは、脂肪を構成している要素である。分子の構造的な違いから①飽和脂肪酸と②不飽和脂肪酸に分類される。①飽和脂肪酸は主に動物性の脂肪に含まれる。②不飽和脂肪酸は、植物や魚の脂に多く含まれる。不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられる。一価不飽和脂肪酸でよく知られているオレイン酸はオリーブ油に多く含まれ、血液中のLDLコレステロールを下げる効果がある。

 

 

 

 

 

問題28 糸球体ろ過量を増加させるのはどれか。

1.腎血流量の低下
2.血中アルブミン濃度の上昇
3.糸球体血圧の上昇
4.尿管内圧の上昇

解答

解説

糸球体濾過量とは?

糸球体濾過量とは、腎臓の機能を表す指標で「GFR(Glomerular Filtration Rate)」とも呼ばれる。腎臓のなかにある糸球体(毛細血管の集合体)が1分間にどれくらいの血液を濾過して尿を作れるかを示している。推算糸球体濾過量(eGFR)の正常値は、「60ml/分/1.73㎡以上」で、年齢、性別、血清クレアチニン値、シスタチンC値から計算する。①正常(G1:90以上)、②軽度低下(G2:60〜89)、③中等度低下(G3a:45〜59、G3b:30〜44)、④高度低下(G4:15〜29)、⑤末期腎不全(G5:15以下)に分類される。

1.× 腎血流量の「低下」ではなく上昇が、糸球体ろ過量を増加させる。
腎血流量が上昇した場合、相対的に糸球体ろ過量が増加する。ちなみに、腎血流量とは、腎臓を流れる血液量のことである。安静時の腎臓には1分あたり1L前後の血液が流れ込んでいる。

2.× 血中アルブミン濃度の「上昇」ではなく低下が、糸球体ろ過量を増加させる。
血中アルブミン濃度が低下した場合、ろ過することでアルブミン濃度の上昇を図れる。ちなみに、アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。

3.〇 正しい。糸球体血圧の上昇は、糸球体ろ過量を増加させる。
糸球体血圧とは、糸球体にかかる圧力のことである。糸球体とは、腎臓に血液を送る動脈が徐々に細くなった先にある毛細血管の球形の塊である。糸球体は、腎臓の機能単位であるネフロンの一部で、腎臓の外側部分である腎皮質に集まっている。腎髄質は腎臓の内側部分で、集合管などが存在する。腎臓には心臓から送りだされる血液の約4分の1が流れ込み、糸球体でろ過される。この濾過された液を原尿といい、1日に約150リットル作り出される。原尿には、不要な老廃物と、体に必要な物質(水分、糖分、ナトリウム、アミノ酸など)が含まれている。

4.× 尿管内圧の「上昇」ではなく低下が、糸球体ろ過量を増加させる。
残尿があるために常に膀胱内圧が高い場合、腎盂内圧も上昇し、それによって腎機能が障害を受ける。

浮腫とは?

浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。

 

 

 

 

 

問題29 膝蓋腱反射について正しいのはどれか。

1.受容器は腱受容器である。
2.求心路はⅡ群線維である。
3.脊髄反射である。
4.多シナプス反射である。

解答

解説

膝蓋腱反射とは?

膝蓋腱反射は、単シナプス反射で大腿四頭筋の筋紡錘による伸張反射である。膝蓋腱反射の【中枢】L2~L4(大腿神経)、【検査法】背臥位検査:患者を背臥位にし両膝を軽く屈曲し立てる。検者は前腕をその膝の下に入れて下肢を支える。または、一側の下肢を膝立て位にして、その膝の上に他側の膝を乗せる。膝蓋腱部を触知してその腱部を叩打する。【判定】膝関節の伸展が起これば反射出現(+)

1.× 受容器は、「腱受容器」ではなく筋紡錘である。

2.× 求心路は、「Ⅱ群線維」ではなくⅠa群線維である。

3.〇 正しい。脊髄反射である
膝蓋腱反射は、単シナプス反射で大腿四頭筋の筋紡錘による伸張反射である。

4.× 「多」ではなくシナプス反射である。
伸張反射は、筋紡錘に存在する一次終末からのIa線維を介してα運動ニューロンにシナプスを形成するもので、単シナプス性の反射経路をとる。筋を伸張すると筋紡錘も引き伸ばされ、感覚神経の終末が変形する。この機械的刺激が感覚神経に求心性発射活動を引き起こす。

 

 

 

 

 

問題30 筋原線維に含まれ、筋収縮に重要な蛋白質はどれか。

1.アルブミン
2.ペプシン
3.アクチン
4.グロブリン

解答

解説

筋収縮の機序

【筋収縮の機序】
①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。
②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。
③アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。

【運動による筋疲労によって起こる事象】
①代謝産物の蓄積(乳酸の増加やpHの低下)
②エネルギー供給率の低下(ATP低下、ADP増加、グリコーゲン低下)
③興奮収縮連関不全(筋小胞体へのCa2+取り込み低下)

1.× アルブミン
アルブミンとは、肝臓で作られるたんぱく質で、肝臓や栄養状態の指標となる。血清総蛋白の60%程度を占め肝臓で生成される。アルブミンが低値の場合は、低栄養状態、がん、 肝硬変など、一方で高値の場合は、脱水により血管内の水分が減少し、濃縮効果によることが考えられる。

2.× ペプシン
ペプシンとは、胃底腺の主細胞の分泌物に由来するタンパク分解酵素である。胃主細胞から分泌されたペプシノーゲンは、壁細胞が分泌する塩酸によりペプシンとなる。

3.〇 正しい。アクチンは、筋原線維に含まれ、筋収縮に重要な蛋白質である。
アクチンは、アクチンフィラメントを構成し、筋収縮のための主要な構造要素であり、相互作用して筋収縮を引き起こす。【筋収縮の機序】①筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。②ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こる。③アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。

4.× グロブリン
(免疫)グロブリンとは、免疫活性を持つたんぱく質で、B細胞リンパ球より産生される。侵入した異物の排除に働く。これも血漿中のタンパク質であるが、その濃度はアルブミンよりも低く、血漿膠質浸透圧への影響はアルブミンほど大きくない。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)