第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後126~130】

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問題126 循経感伝現象と関係しないのはどれか。

1.丘疹
2.索状硬結
3.腫脹
4.色素沈着

解答

解説

MEMO

循経感伝現象とは、鍼刺などを用いて経穴を刺激する際に、若干の人々に出現する経絡に沿って分布する特殊な感覚伝達現象のことである。

1.〇 丘疹(※読み:きゅうしん)
丘疹とは、主な原因として、真皮の増殖性変化や真皮内浮腫、真皮炎症性変化など起こる直径10mm以下の限局性隆起性の発疹である。

2.× 索状硬結は、循経感伝現象と関係しない。
索状硬結とは、トリガーポイントである。トリガーポイントとは、身体の約200対に及ぶ筋肉の、筋組織内部の硬結上の結節に存在し、指圧刺激で鋭く身体の深部に感じる痛みを発する、引き金となる限局性のポイントのことを指す。特徴として、関連痛の出現、痛覚閾値の低下、索状硬結の触知のほかにも、単収縮反応などがあげられる。

3.〇 腫脹とは、炎症によって毛細血管の透過性が亢進することである。炎症などが原因で、からだの組織や器官の一部に血液成分が溜まってはれ上がる。

4.〇 色素沈着とは、肌への刺激や日光などが原因で肌になんらかの色が残ってしまうことで、皮膚の色が濃くなる現象である。色素沈着には限局性のものと広範囲に生じるびまん性のものがあり、限局性の場合は皮膚の炎症や外傷、紫外線に対する反応として生じ、びまん性の場合はホルモン分泌異常や薬による影響、腫瘍などが原因と考えられている。

 

 

 

 

 

問題127 頭痛の症状で施術適応となるのはどれか。

1.突然の激しい後頭部痛とともに回転性めまい、起立困難が生じ、反復する嘔吐がみられた。
2.早朝時の後頭部の非拍動性の慢性頭痛が週単位で増悪し、今朝は噴出性嘔吐がみられた。
3.深夜に、流涙・鼻汁を伴う片側の眼窩周囲の激烈な痛みが発作的に生じ、1時間で治まった。
4.感冒症状が治まって、2週間後に前頭部のズキズキとした痛み、熱感、叩打痛とともに後鼻漏が出現した。

解答

解説
1.× 突然の激しい後頭部痛とともに回転性めまい、起立困難が生じ、反復する嘔吐がみられた。
これは、脳梗塞やくも膜下出血、小脳梗塞、脳幹梗塞、小脳出血、脳幹出血などの重篤な脳血管障害が疑われる。緊急を要するため、速やかに医療機関での診察が必要である。

2.× 早朝時の後頭部の非拍動性の慢性頭痛が週単位で増悪し、今朝は噴出性嘔吐がみられた。
これは、脳腫瘍などの頭蓋内圧亢進が疑われる。噴出性嘔吐とは、1メートル以上飛び散る嘔吐である。緊急を要するため、速やかに医療機関での診察が必要である。

3.〇 正しい。深夜に、流涙・鼻汁を伴う片側の眼窩周囲の激烈な痛みが発作的に生じ、1時間で治まった
これは、群発頭痛の症状で施術適応となる。群発頭痛とは、数週間から数か月ほどの間、片方の目の周りや頭の前側や後ろ側の辺りが毎日のように強く痛くなることである。はっきりとした原因は分かっておらず、体内時計の乱れなどが関係しているのではないかと考えられている。

4.× 感冒症状が治まって、2週間後に前頭部のズキズキとした痛み、熱感、叩打痛とともに後鼻漏が出現した。
これは副鼻腔炎(蓄膿症)が疑われる。原因として、感染症の恐れがあるため、一般的に医療機関での診断が必要である。慢性の場合、鍼灸などの補助的な施術が行われることがある。

慢性副鼻腔炎とは?

慢性副鼻腔炎とは、いわゆる蓄膿症のことで、副鼻腔の中のいくつかが慢性的な粘膜の炎症を起こしている状態をいう。一般的には感冒などの急性炎症から始まり、インフルエンザウイルスやその他の細菌の感染を繰り返すことによって慢性化することが多く、アレルギー性鼻炎からの移行もみられる。主な症状として、①鼻水、②鼻づまり、③頭が重い、④鼻の中に悪臭を感じる、⑤嗅覚低下などがあげられる。

 

 

 

 

 

問題128 美容を目的に口角を上げやすくするため、大頬骨筋を刺激する経穴として最も適切なのはどれか。

1.顴髎
2.巨髎
3.頬車
4.迎香

解答

解説

1.〇 正しい。顴髎は、美容を目的に口角を上げやすくするため、大頬骨筋を刺激する経穴である。
顴髎は、顔面部、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部に位置する。下関(胃経)の前方に位置する。顴髎は、大・小頬骨筋に適応となる。

2.× 巨髎は、小頬骨筋に適応となる。巨髎は、顔面部、瞳孔線上、鼻翼下縁と同じ高さに位置する。

3.× 頬車は、咬筋に適応となる。頬車は、顔面部、下顎角の前上方1横指(中指)に位置する。

4.× 迎香は、鼻翼挙筋や上唇挙筋、小頬骨筋に適応となる。迎香は、顔面部、鼻唇溝中、鼻翼外縁中点と同じ高さに位置する。

 

 

 

 

 

問題129 関節リウマチによるZ変形の疼痛緩和のため局所への接触鍼を行った。
 施術部位の経穴として最も適切なのはどれか。

1.魚際
2.二間
3.少沢
4.中渚

解答

解説
1.〇 正しい。魚際は、施術部位の経穴である。なぜなら、Z変形は、母指に出現するため。魚際は、手掌、第1中手骨中点の橈側、赤白肉際に位置する。

2.× 二間(※読み:じかん)は、示指、第2中手指節関節橈側の遠位陥凹部、赤白肉際に位置する。

3.× 少沢(※読み:しょうたく)は、小指、末節骨尺側、爪甲角の近位内方1分(指寸)、爪甲尺側縁の垂線と爪甲基底部の水平線の交点に位置する。

4.× 中渚(※読み:ちゅうしょ)は、手背、第4~5中手骨間、第4中手指節関節近位の陥凹部に位置する。

”関節リウマチとは?”

関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。

(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)

 

 

 

 

 

 

問題130 過活動膀胱の患者に対する治療で、脊髄排尿中枢を介した治療穴として最も適切なのはどれか。

1.関元兪
2.五枢
3.志室
4.中髎

解答

解説

1.× 関元兪(※読み:かんげんゆ)は、腰部、第5腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分に位置する。

2.× 五枢(※読み:ごすう)は、下腹部、臍中央の下方3寸、上前腸骨棘の内方に位置する。

3.× 志室(※読み:ししつ)は、腰部、第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方3寸に位置する。第12助骨端下縁の内方に位置する。

4.〇 正しい。中髎は、過活動膀胱の患者に対する治療で、脊髄排尿中枢を介した治療穴である。中髎(※読み:ちゅうりょう)は、仙骨部、第3後仙骨孔に位置する。排尿中枢は、仙髄(S2~4)にあり、膀胱壁が拡張するとその知覚が排尿中枢に伝えられる。普段は大脳から蓄尿の指令が出ているが、排尿の命令が出ると陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、副交感神経を介して排尿筋が収縮する。

 

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