この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
問題56 心房細動について最も適切なのはどれか。
1.脳梗塞の原因となる。
2.原因に甲状腺機能低下症がある。
3.好発年齢は40歳代である。
4.薬物療法は無効である。
解答1
解説
心房細動は、心原性脳塞栓症の原因として最も多い不整脈である。心房細動は、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因として最も多い。心房細動の特徴として、心房の興奮が形・大きさともに不規則であり、基線が揺れている(f波)。心房が正常に収縮しないためにP波が消失し、QRS波が不規則である。
1.〇 正しい。脳梗塞の原因となる。なぜなら、心房細動では、心房がうまく収縮できず、心房内に血液が滞りやすいため。したがって、血栓ができやすく、その血栓が脳へ飛ぶことにより脳梗塞を発症しやすい。
2.× 原因に甲状腺機能「低下症」ではなく亢進症がある。なぜなら、甲状腺ホルモンが多すぎると、心拍数が上がり、心筋の興奮性も高まるため。したがって、不整脈が起こりやすくなる。
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。放射線性ヨウ素内用療法は、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や甲状腺がんに対して行われる治療のひとつである。甲状腺機能亢進症では、放射性ヨウ素から放出されるベーター線で正常な甲状腺細胞を破壊し、甲状腺機能亢進症を改善させる。
3.× 好発年齢は、「40歳代」ではなく70〜80歳代である。加齢とともに増加する不整脈である。40歳代で起こる場合は、飲酒、肥満、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、甲状腺機能亢進症などの背景を考えることが多い。
4.× 薬物療法は、「無効」ではなく有効である。心房細動では、脳梗塞予防の抗凝固療法、脈を整えるレートコントロール、洞調律維持を目指す抗不整脈薬など、薬物療法が実際に広く用いられている。
問題57 冠攣縮性狭心症について正しいのはどれか。
1.夜間から早朝にかけての発症が多い。
2.血栓により冠動脈が狭窄して起こる。
3.運動負荷心電図でST低下がみられる。
4.ニトログリセリンの効果が乏しい。
解答1
解説
異型狭心症(冠攣縮性狭心症)とは、深夜、早朝の就寝中や安静時の決まった時間帯に胸痛発作が起こりやすい特徴をもつ。早朝の運動時にも起こり、喫煙、過呼吸、ストレス、過労、不眠やアルコール過飲が発作の引き金となる。 胸痛に冷汗や嘔吐、失神を伴う時があり、また中には重症の不整脈や心筋梗塞を引き起こして突然死する方もいる。
1.〇 正しい。夜間から早朝にかけての発症が多い。なぜなら、夜間から早朝は休息・睡眠に伴って自律神経のバランスが変わり、血管が縮みやすくなるため。さらに、血圧・ホルモンなどの日内変動も重なり、冠動脈のけいれんが起こりやすくなる。
2.× 血栓により冠動脈が狭窄して起こるのは、「不安定狭心症」である。
・労作性狭心症は、主に動脈硬化による固定狭窄が背景にある。
・不安定狭心症は、プラーク破綻や血栓形成により起こる。
・冠攣縮性狭心症は、冠動脈が一時的に強く縮むことにより起こる。
3.× 運動負荷心電図でST「低下」ではなく上昇がみられる。ST上昇、異常Q波、冠性T波がみられている場合は、心筋梗塞を疑う。心筋梗塞では、T波の増高が最も早くみられ、時間の経過と共に【ST上昇→異常Q波→冠性T波】がみられるようになる。
4.× ニトログリセリンの効果は「有効である」。
・ニトログリセリンとは、主に狭心症、他に心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解などに用いる。狭心症は冠動脈の内腔が一時的に閉塞、狭窄する。ニトログリセリンに代表される硝酸薬は血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる作用がある。
問題58 二次性ネフローゼ症候群の原因となる疾患で最も適切なのはどれか。
1.膜性腎症
2.糖尿病性腎症
3.巣状分節性糸球体硬化症
4.膜性増殖性糸球体腎炎
解答2
解説
一次性ネフローゼ症候群とは、ネフローゼ症候群のうち、糖尿病や膠原病などの明らかな原因疾患がないものをいう。腎臓の糸球体そのものに異常が起こり、大量の蛋白尿、低蛋白血症、むくみなどを生じる病気である。代表例は微小変化型、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症などである。
二次性ネフローゼ症候群とは、糖尿病、膠原病、感染症、悪性腫瘍など、別の病気が原因となって起こるネフローゼ症候群である。つまり腎臓だけの病気ではなく、全身性疾患の一部として腎臓の糸球体が障害され、大量の蛋白尿やむくみを生じる。代表例は糖尿病性腎症、ループス腎炎、アミロイド腎症などである。
1.× 膜性腎症は、一次性ネフローゼ症候群である。
・膜性腎症とは、ネフローゼ症候群を起こす代表的な腎疾患である。腎臓のフィルター(糸球体)の基底膜に免疫物質が沈着し、膜が厚くなることで大量の蛋白尿が出るネフローゼ症候群の代表的な疾患である。
2.〇 正しい。糖尿病性腎症は、二次性ネフローゼ症候群の原因となる疾患である。なぜなら、糖尿病性腎症は、糖尿病という全身性の代謝疾患に続発して起こる腎障害であるため。
・糖尿病性腎症とは、糖尿病の合併症で、糖尿病によって高血糖状態が持続し、腎臓の内部に張り巡らされている細小血管が障害を受けることで発症する。悪化すると腎不全に移行し、血液透析などが必要となる。糖尿病性腎症の場合、徐々に病気が進行するため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要である。糖尿病性腎症が原因で透析を受けることになった人が、全透析患者のうち44.1%と最も多い割合を占めている。
3.× 巣状分節性糸球体硬化症は、一次性ネフローゼ症候群である。腎臓のフィルター(糸球体)の一部が瘢痕化(硬化)し、大量のタンパク尿や腎機能低下を招く難治性の腎疾患である。
・巣状分節性糸球体硬化症とは、糸球体の一部が硬化して蛋白尿を来す腎疾患である。
4.× 膜性増殖性糸球体腎炎は、一次性ネフローゼ症候群である。腎臓のフィルター(糸球体)の細胞が増殖し、基底膜が厚くなる(二重化)慢性腎炎である。
ネフローゼ症候群とは、尿から大量の蛋白が漏れ出すことで血液中の蛋白が減少、血液の浸透圧が低下し水分が血管内から血管外へ移動することで、全身の浮腫や腹水・胸水などを引き起こすものである。小児の治療として、ステロイド治療により改善することが多い。ネフローゼ症候群に対する食事に関しては、蛋白尿が陽性の間は減塩食にする。一般的に水分の制限は必要ないとされており、その理由は水分制限による脱水や血栓症の危険性が増加するためである。
【成人における診断基準】
①蛋白尿:1日蛋白量3.5g以上を持続する。
②低蛋白血症:血清総蛋白量は6.0g/100ml以下(低アルブミン血症とした場合は血清アルブミン量3.0g/100ml以下)
③高脂血症:血清総コレステロール値250mg/100ml以上
④浮腫
問題59 高血圧症について最も適切なのはどれか。
1.常習的飲酒は血圧低下を生じる。
2.運動は危険因子である。
3.収縮期血圧の治療目標は140mmHg以下である。
4.安静時血圧に基づいて薬物治療を行う。
解答4
解説
高血圧症とは、①本態性高血圧(原因が生活習慣や環境、遺伝などはっきり特定できないもの:高血圧症全体の9割)と、②二次性高血圧(ホルモン分泌異常や臓器の奇形などで生じ原因が特定できるもの:腎血管性高血圧を含む)に分けられる。
二次性高血圧症の原因として、①腎実質性、②腎血管性、③内分泌性、④血管性、⑤脳・中枢神経性(脳幹部血管圧迫)、⑥遺伝性、⑦薬剤誘発性などがある。②腎血管性高血圧は、腎動脈硬化症や線維筋性異形成、高安大動脈炎、解離性大動脈瘤などによる腎血流低下により腎臓でレニン産生が増加するため高血圧となる。③内分泌性高血圧には、先端巨大症、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、レニン産生腫瘍などにより高血圧となる。
1.× 常習的飲酒は、血圧「低下」ではなく増加を生じる。なぜなら、常習的飲酒では、交感神経が過活動となり血管が収縮するため。さらに酸化ストレスで血管内皮が傷み、血管が硬くなる。
2.× 運動は、「危険」ではなく改善因子である。なぜなら、運動療法は、血管機能を改善し、収縮期血圧・拡張期血圧を低下させるため。
3.× 収縮期血圧の治療目標は、「140」ではなく130mmHg以下である。
【降圧目標】
・75歳未満の成人:130/80mmHg未満
・75歳以上の高齢者:140/90mmHg未満
4.〇 正しい。安静時血圧に基づいて薬物治療を行う。なぜなら、薬の効果判定も同じ条件で比較できるため。安静時血圧は、体への負荷を除いた基準値であり、脳卒中や心臓病の危険度を予測しやすい。
問題60 糖尿病による細小血管障害はどれか。
1.脳梗塞
2.心筋梗塞
3.慢性腎臓病
4.下肢閉塞性動脈疾患
解答3
解説
【糖尿病合併症】
・細小血管障害として、網膜症・腎症・神経障害である。
・大血管障害として、脳血管障害・冠動脈疾患・末梢動脈疾患である。
1~2.4.× 脳梗塞/心筋梗塞/下肢閉塞性動脈疾患は、糖尿病の大血管障害である。
3.〇 正しい。慢性腎臓病は、糖尿病による細小血管障害である。なぜなら、糖尿病性腎症は、慢性的な高血糖によって生じるため。慢性腎臓病とは、腎臓の働き低下や蛋白尿などの腎障害が3か月以上続く状態である。進行すると老廃物や水分を排泄しにくくなり、透析や心血管病の危険が高まるのである。
糖尿病性腎症とは、糖尿病の合併症で、糖尿病によって高血糖状態が持続し、腎臓の内部に張り巡らされている細小血管が障害を受けることで発症する。悪化すると腎不全に移行し、血液透析などが必要となる。糖尿病性腎症の場合、徐々に病気が進行するため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要である。糖尿病性腎症が原因で透析を受けることになった人が、全透析患者のうち44.1%と最も多い割合を占めている。一般的な糖尿病の食事療法としては、標準体重と身体活動量により摂取エネルギー量を算出し、50~60%が糖質、蛋白質が20%までとし、残りは脂質とする。また、糖尿病腎症の治療には血糖・血圧コントロールが重要であり、腎症 3 期(顕性腎症)では、食塩制限に加えたんぱく質摂取量にも注意が必要である。これは、たんぱく質や塩分がさらに腎臓に対し負担をかけるためである。つまり、①エネルギー量の管理、②食塩量の制限、③タンパク質量の調整が必要となる。
国試オタク 