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問題76 下肢切断後の幻肢痛で正しいのはどれか。
1.小児では出現しにくい。
2.断端創の治癒により消失する。
3.鎮痛薬の効果が得られやすい。
4.疼痛が軽減してから義足を使用する。
解答1
解説
1.〇 正しい。小児では出現しにくい。むしろ、4~6歳以下の小児切断の場合、知覚神経の発達が未熟であるため幻肢は出現しないといわれている。
2.× 断端創の治癒により消失する「ものではない」。むしろ、幻肢痛は、創が治っても持続しうる痛みである。失われた四肢そのものに感じる痛みで、末梢神経の変化だけでなく脊髄・脳の再編成なども関与する。
3.× 鎮痛薬の効果が「得られにくい」。なぜなら、幻肢痛は精神的ストレスによって影響されるため。心因性の要素が関係するため薬物療法以外の治療法も用いられる。主に、バイオフィードバック、リラクセーション訓練、認知行動療法、経皮的電気神経刺激法(TENS)などである。
4.× 疼痛が「軽減する前」から、義足を使用する。つまり、断端管理をしながら可能な範囲で早期に使用を進める。なぜなら、痛みが軽減するまで待っていると、拘縮や筋力低下が生じるため。
幻肢・幻肢痛とは、腕や足の切断後、失ったはずの感覚があり、かつそこに痛みを感じる状態である。切断をした人の約7割で生じるが、強い痛みは5~10%とまれである。幻肢痛のメカニズム(発生の機序)は解明されていない。下肢より上肢、近位部より遠位部に多く、電撃痛や、捻られるような痛み、ズキズキするような痛みなど様々である。一般的に、切断の手術後1週間以内に発症し、6か月~2年で消失することが多いが、それ以上長引くこともある。幻肢の大きさは健肢とほぼ同様で、幻肢痛が発生するのは、失った手や指、足などが多い。一方、肘や膝に感じることはまれで、4~6歳以下の小児切断例では出現しないことが多い。幻肢痛への一般的な治療方法として、薬物療法と非薬物療法に分けられる。幻肢痛は天候や精神的ストレスに左右されるため、薬物療法は、鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン)、三環系抗うつ薬抗痙攣薬、プレガバリン(リリカ)などの抗てんかん薬が、神経痛の治療に使われる。非薬物療法としては、ミラーセラピーである。幻肢は断端の運動につれて移動し、断場の状態(神経や癒着など)に関連を持つ場合がある。
※幻肢痛は、心因性の要素が関係するため薬物療法以外の治療法 (バイオフィードバック、リラクセーション訓練、認知行動療法、経皮的電気神経刺激法【TENS】 など)も用いられる。ちなみに、ミラーセラピー(mirror therapy)とは、鏡を使用して運動の視覚フィードバックを与える治療法である。矢状面で両肢間に鏡を設置し、鏡に映された一側肢が鏡に隠れた反対側肢の位置と重なるようにする。切断や麻痺などの患側肢の遠位部に健側肢の映った鏡像がつながって見えることで、患側肢が健常な実像であるかのように感じさせながら運動を行う。
(※参考:「幻肢痛」慢性通治療の専門医による痛みと身体のQ&A様HPより)
問題77 関節リウマチにみられる最も特徴的な症状はどれか。
1.内反尖足
2.非対称性の関節腫脹
3.O脚
4.環軸関節亜脱臼
解答4
解説
①環軸椎亜脱臼、②肩関節可動域制限、③肘関節屈曲拘縮、④手関節尺側偏位、⑤手指変形、⑥股関節屈曲拘縮、⑦膝関節内外反変形・屈曲拘縮、⑨足・足趾変形などがある。
1.× 内反尖足は、脳卒中片麻痺患者(痙縮)でみられる。なぜなら、筋緊張の亢進は、下肢伸展筋の緊張(伸展パターンの増強)が起こりやすいため。
2.× 「非対称性」ではなく対称性の関節腫脹がみられる。末梢小関節(手関節や中手指節関節など)に左右対称性の炎症を起こす。
3.× O脚より優先されるものがほかにある。なぜなら、関節リウマチの膝関節の関節変形は、膝関節内・外反変形にどちらでも起こり得るため。一般的に、O脚は、変形性膝関節症などでよくみられる下肢アライメント異常である。
4.〇 正しい。環軸関節亜脱臼は、関節リウマチにみられる最も特徴的な症状である。関節リウマチの死因としても知られ、頚椎可動域運動を行わないほうが良い。特に、頸部の屈曲は禁忌である。
関節リウマチは、関節滑膜を炎症の主座とする慢性の炎症性疾患である。病因には、遺伝、免疫異常、未知の環境要因などが複雑に関与していることが推測されているが、詳細は不明である。関節炎が進行すると、軟骨・骨の破壊を介して関節機能の低下、日常労作の障害ひいては生活の質の低下が起こる。関節破壊(骨びらん) は発症6ヶ月以内に出現することが多く、しかも最初の1年間の進行が最も顕著である。関節リウマチの有病率は0.5~1.0%とされる。男女比は3:7前後、好発年齢は40~60歳である。
【症状】
①全身症状:活動期は、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹、朝のこわばりなどの全身症状が出現する。
②関節症状:関節炎は多発性、対称性、移動性であり、手に好発する(小関節)。
③その他:リウマトイド結節は肘、膝の前面などに出現する無痛性腫瘤である。内臓病変は、間質性肺炎、肺線維症があり、リウマトイド肺とも呼ばれる。
【治療】症例に応じて薬物療法、理学療法、手術療法などを適宜、組み合わせる。
(※参考:「関節リウマチ」厚生労働省HPより)
問題78 身体障害者福祉法に定められた身体障害でないのはどれか。
1.肢体不自由
2.視覚障害
3.発達障害
4.音声機能の障害
解答3
解説
身体障害者福祉法とは、身体障害者の福祉の増進を図る為の日本の法律である。身体障害者福祉法の第四条には、この法律において、身体障害者とは、身体上の障害がある十八歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう、と記載されている。
1~2.4.〇 肢体不自由/視覚障害/音声機能の障害は、身体障害者福祉法に定められた身体障害に含まれる。
障害の種類(いずれも、一定以上で永続することが要件とされている)
① 視覚障害
② 聴覚又は平衡機能の障害
③ 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
④ 肢体不自由
⑤ 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
⑥ ぼうこう、直腸又は小腸の機能の障害
⑦ ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
3.× 発達障害は、身体障害者福祉法に定められた身体障害でない。なぜなら、発達障害は、発達障害者支援法で「自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害などの脳機能の障害」として定義されているため。
発達障害者支援法とは、発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、学習障害など)を持つ者に対する援助等について定めた法律である。発達障害を早期に発見し支援することで、発達障害者の自立および社会参加のための生活支援と共生社会の実現を目的とする法律である。発達障害の定義や発達障害者支援センターなどが規定されている。
(定義)
第二条 この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
2 この法律において「発達障害者」とは、発達障害がある者であって発達障害及び社会的障壁により日常生活又は社会生活に制限を受けるものをいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。
3 この法律において「社会的障壁」とは、発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
4 この法律において「発達支援」とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う個々の発達障害者の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助をいう。(※一部引用:「発達障害者支援法」e-GOV法令検索様HPより)
問題79 作業療法で主に用いる補装具はどれか。
1.義手
2.義足
3.体幹装具
4.下肢装具
解答1
解説
作業療法士とは、医師の指示のもとに手工芸・芸術・遊びやスポーツ・日常動作などを行うことにより、障害者の身体運動機能や精神心理機能の改善を目指す治療(作業療法)を行う専門職である。つまり、食事動作等、日常生活動作の回復が役割である。
1.〇 正しい。義手は、作業療法で主に用いる補装具である。なぜなら、作業療法は、上肢機能、手の操作、セルフケア、家事、仕事などの「作業」を回復・改善・維持することを重視するため。したがって、義手の装着方法、操作方法、使い分け、生活場面への応用訓練を行う。
2.4.× 義足/下肢装具より優先されるものがほかにある。なぜなら、義足は、主として立位・歩行・移動能力に関わる補装具であるため。したがって、理学療法が中心となる。
・理学療法士とは、医師の指示のもとに治療体操や運動・マッサージ・電気刺激・温熱などの物理的手段を用いて、運動機能の回復を目的とした治療法・物理療法(理学療法)を行う専門職である。つまり、関節可動域や筋力の向上などが役割である。
3.× 体幹装具より優先されるものがほかにある。なぜなら、体幹装具は、体幹の支持・安定化を目的とする装具であるため。たとえば、脊椎圧迫骨折の患者が体幹装具を装着している場合、作業療法士は、その装具をつけた状態で更衣、トイレ、入浴動作、家事をどう安全に行うかを指導するが、装具自体の日常生活の活用は実施しない。
問題80 高齢者の外傷性脊髄損傷の受傷原因として最も多いのはどれか。
1.スポーツ
2.交通事故
3.労働災害
4.転倒・転落
解答4
解説
脊椎損傷とは、脊椎(背骨)に過大な外力が加わって、骨折や脱臼を生じる外傷である。外傷性脊髄損傷の原因(若年者)は、圧倒的に交通事故によるものが多く、原因の40%を超える。若年者ではバイクによる事故が多く、中高年者では自動車事故が多い。次いで、高所からの転落・転倒(高齢者では最多)・スポーツによるものとなっているが、スノーボードによる事故も増えている。データとして、推定年間発生率は100万人あたり49人、頚髄損傷は88.1%、発症年齢中央値70.0歳、男女比3:1、原因(全体の割合)は転倒が38,6%、交通事故が20.1%と報告されている。
(※参考データ:日本脊髄障害医学会による脊髄損傷全国発生調査の結果)
1~3.× スポーツ/交通事故/労働災害は、高齢者の外傷性脊髄損傷で最も多いとはいえない。
・日本脊髄障害医学会の全国調査では、10代ではスポーツによる受傷が最多であるが、年齢が上がるにつれて平地転倒による受傷が増加する。
4.〇 正しい。転倒・転落は、高齢者の外傷性脊髄損傷の受傷原因として最も多い。特に、高齢者では、平地転倒が最多である。なぜなら、高齢者では加齢により筋力や平衡感覚が低下し、段差や滑りやすい床で転倒しやすくなる。また、骨粗しょう症や脊柱管狭窄などで脊椎・脊髄が傷つきやすい状態にある。そのため、若年者では軽い事故で済む転倒・転落でも、脊髄損傷に至りやすい。
国試オタク 