第28回(R2年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後91~95】

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問題91 脈中を行き、血をめぐらすのはどれか。

1.原気
2.宗気
3.営気
4.衛気

解答

解説
1.× 原気
原気とは、元気ともいい、先天の精を源とし、生命活動の原動力となる気である。三焦を通って、全身に分布し、臓腑の生理活動を始動させる。

2.× 宗気
宗気とは、呼吸で得られる気(水穀の精微と精気)によって化生された気である。胸中に集まり、心肺の活動(呼吸・血の推動)を支える。

3.〇 正しい。営気は、脈中を行き、血をめぐらす。
営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。

4.× 衛気
衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。つまり、脈外をめぐる。

 

 

 

 

 

問題92 六腑に属する奇恒の腑が、剋する腑の生理作用はどれか。

1.貯尿を主る。
2.受納を主る。
3.決断を主る。
4.昇清を主る。

解答

解説

六腑とは?

六腑とは、水穀の受盛と伝化(飲食物の消化・吸収・排泄)を行う中腔器官である。・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦があげられる。

奇恒の腑とは、水穀と直に接しない密閉した中腔器官で、精気を蔵する。骨・随・脳・脈・・女子胞があげられる。形態は(腑)に似るが、精気を蔵する(臓)の特徴を持つ。

1.× 貯尿を主るのは、膀胱である。

2.〇 正しい。受納を主るのは、胃である。
したがって、胆に剋する腑は、胃となる。

3.× 決断を主るのは、である。

4.× 昇清を主るのは、である。
脾の生理として、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))である。脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。また、特性として、①昇清(生理物質の上昇、組織・器官を正常な位置に保つ)、②喜燥悪湿である。

 

 

 

 

 

問題93 五臓と生理作用の組合せで正しいのはどれか。

1.肝:封蔵
2.心:蔵血
3.腎:治節
4.脾:昇清

解答

解説
1.× 封蔵は、「肝」ではなくである。
腎の生理は、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)。また、特性は、①封蔵(漏れ出るのを防ぐ)、②陰陽の根本(気・血・精・津液の化生に関わり、供給・補充する)である。

2.× 蔵血は、「心」ではなくである。
肝の生理は、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)である。また、特性は、①昇発(上昇·発散)②条達(隅々まで行き渡らせる)である。

3.× 治節は、「腎」ではなくである。
肺の生理は、①宣粛(宣発(宣布・発散)、粛降(清肅・下降。通調水道、水の上源))、②主気(呼吸を主る(治節)、一身の気を主る)肺は百脈を朝ず。また、特性は①華蓋(外邪の侵襲を防ぐ)、②嬌臓(機能が失調しやすい)である。

4.〇 正しい。脾は、昇清である。
脾の生理は、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))、脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。また、特性は①昇清(生理物質の上昇、組織・器官を正常な位置に保つ)、②喜燥悪湿である。

 

 

 

 

 

問題94 急にめまい、けいれんを起こすのはどれか。

1.内風
2.内寒
3.内湿
4.内燥

解答

解説
1.〇 正しい。内風は、急にめまい、けいれんを起こす。
内風とは、風邪(※読み:ふうじゃ)が体の中から沸き起こるという意味から内風といい、めまい、ふらつき、耳鳴り、頭痛などの症状をいう。

2.× 内寒
内寒とは、虚寒ともいい、陽虚(虚寒)は、寒証+気虚症状である。寒がり、四肢の冷え、顔面蒼白、下痢、白色帯下、腹痛、自汗、倦怠感、息切れ、食欲不振、脈遅・弱などがあげられる。

3.× 内湿
内湿とは、主に、乱れた食生活でおなか(脾・胃)が冷えて湿気がたまることである。症状として、食欲不振や下痢、軟便などがあげられる。

4.× 内燥(※読み:ないそう)
内燥とは、暑さ・発熱性消耗疾患・過度の発汗・嘔吐・下痢、失血過多、加齢、慢性疾患などが原因で、津液を消耗し、燥邪に似た症状が現れるものをいう。ちなみに、燥邪とは、陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。

 

 

 

 

 

問題95 五労で正しいのはどれか。

1.久しく視ると血を傷る。
2.久しく歩くと肉を傷る。
3.久しく坐ると気を傷る。
4.久しく立つと筋を傷る。

解答

解説
1.〇 正しい。久しく視る(久視)と血を傷る

2.× 久しく歩く(久行)と「肉」ではなくを傷る。

3.× 久しく坐る(久坐)と「気」ではなくを傷る。

4.× 久しく立つ(久立)と「筋」ではなくを傷る。

 

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