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問題21 肘内障で正しいのはどれか。
1.腫脹が著明である。
2.前腕は回内している。
3.橈骨頭が前方転位している。
4.肘外側に皮下出血がみられる。
解答2
解説
肘内障とは、乳幼児に特有の外傷で、橈骨頭が引っ張られることによって、橈骨頭を取り巻いている輪状靭帯と回外筋が橈骨頭からずれた状態(亜脱臼)になったものである。5歳くらいまでの子どもに発症する。 輪状靭帯の付着がしっかりする6歳以降では起こりにくい。
1.4.× 腫脹が著明である/肘外側に皮下出血がみられるとはいえない。なぜなら、肘内障とは、橈骨頭が引っ張られることによって発症するため。出血を呈するほどの軟部組織の損傷まで及ばないため、著明な炎症症状(特に腫脹と発赤)はみられにくい。
2.〇 正しい。前腕は回内している。
なぜなら、強い引っ張りによる外力(前腕回内力)が加わり、受傷されるため。多くは、前腕回内位・肘関節軽度屈曲位で来院する。
3.× 橈骨頭が「前方転位」ではなく下降転位している。
肘内障とは、乳幼児に特有の外傷で、橈骨頭が引っ張られることによって、橈骨頭を取り巻いている輪状靭帯と回外筋が橈骨頭からずれた状態(亜脱臼)になったものである。
問題22 示指PIP関節背側脱臼で正中索損傷を合併している場合の固定で正しいのはどれか。
1.固定指は示指から小指とする。
2.固定肢位はPIP関節伸展とする。
3.固定範囲はMP関節手前から指尖部までとする。
4.固定期間は5週とする。
解答2
解説
【種類】
①背側脱臼:掌側板損傷する
②掌側脱臼:正中索損傷する(ボタン穴変形)
③側方脱臼:側副靱帯損傷する(側方動揺性)
【固定法】
①DIP・PIP関節:軽度屈曲位
②正中索損傷の場合:PIP伸展位
③側副靭帯損傷の場合:隣接指間にパットを挟み固定
※示指PIP関節背側脱臼で正中索損傷を合併している稀な症例であるが、基本的に正中索損傷する(ボタン穴変形)に対する固定方法を行う。
1.× 固定指は示指から小指とする必要はない。通常、示指PIP関節の脱臼では、隣接する指とともに固定することが多い。
2.〇 正しい。固定肢位はPIP関節伸展とする。なぜなら、ボタン穴変形の予防のため。
3.× 固定範囲は、「MP関節手前」ではなく前腕遠位端部から指尖部までとする。
4.× 固定期間は、「5週」ではなく約2週間とする。金属副子を背側にあてた固定は、浮腫や運動療法に有利との報告も認められている。
問題23 肩腱板損傷の際に陽性となるのはどれか。
1.スピードテスト
2.ジャークテスト
3.ディンプルサイン
4.ペインフルアークテスト
解答4
解説
1.× スピードテストは、上腕二頭筋長頭腱の炎症の有無をみる。結節間溝部に痛みがあれば陽性である。【方法】被検者:座位で、上肢を下垂・肩関節外旋位から、上肢を前方挙上(肩関節屈曲)してもらう。検者:肩部と前腕遠位部を把持し、上肢に抵抗をかける。
2.× ジャークテストの陽性は、前十字靭帯損傷を疑う。片方の手で、患者の足首を持ち、もう一方の手で膝を持ち、下腿を内旋しながら伸展すると、膝でクリックを伴う亜脱臼整復感が確認できる。
3.× ディンプルサイン(Dimple sign)の陽性の場合、前距腓靭帯断裂を疑う。足関節の前方引き出しを行うと同部に、エクボ様の陥凹が観察されれば陽性である。
4.〇 正しい。ペインフルアークテストは、肩腱板損傷の際に陽性となる。肩腱板損傷では、主に棘上筋腱が最も損傷・断裂しやすく、96.6%を占める。Painful arc sign(ペインフルアークサイン)は、患者さんの力により外転方向に挙上してもらう。棘上筋が損傷していれば60°〜120°の間で疼痛を感じ、それ以外の角度では疼痛を感じない。
問題24 肩のインピンジメントの所見でないのはどれか。
1.雑音聴取
2.肩峰下疼痛出現
3.外転位保持不能
4.結節間溝部疼痛出現
解答4
解説
肩峰下インピンジメントとは、上腕骨大結節と棘上筋腱停止部が、烏口肩峰アーチを通過する際に生じる、棘上筋腱の機械的圧迫のことである。この機械的圧迫は棘上筋腱に集中して発生する。つまり、肩の近くの関節の細いところで、骨同士の隙間が、こすれがあっている状態である。 原因として、年齢や疲労、姿勢の影響で動きの連携がとれずに衝突するとされている。炎症や出血を起こす。
1.〇 正しい。雑音聴取は、肩のインピンジメントの所見である。インピンジメントというのは、『衝突』という意味で、肩関節を動かす際に、関節付近で他の骨や筋肉との衝突が生じることによって、組織の損傷が起こって痛みが生じる病気である。
2.〇 正しい。肩峰下疼痛出現は、肩のインピンジメントの所見である。なぜなら、インピンジメントは烏口肩峰アーチ(肩峰下)を通過する際に生じるため。
3.〇 正しい。外転位保持不能は、肩のインピンジメントの所見である。なぜなら、棘上筋腱が機械的圧迫を受けるため。
4.× 結節間溝部疼痛出現は、肩のインピンジメントの所見でない。これは、上腕二頭筋長頭炎にみられる。なぜなら、上腕二頭筋長頭の腱が結節間溝部に走行するため。ちなみに、上腕二頭筋腱炎(上腕二頭筋長頭炎)は、上腕二頭筋長頭腱が、上腕骨の大結節と小結節の間の結節間溝を通過するところで炎症が起こっている状態のことである。腱炎・腱鞘炎・不全損傷などの状態で肩の運動時に痛みが生じる。Speedテスト(スピードテスト)・Yergasonテスト(ヤーガソンテスト)で、上腕骨結節間溝部に疼痛が誘発される。治療は保存的治療やステロイド局所注射となる。
問題25 上腕二頭筋長頭腱の断裂で誤っているのはどれか。
1.腱の変性で発生頻度は高くなる。
2.外旋運動で発生する。
3.大結節との摩擦が関与する。
4.筋腹の膨隆が遠位に移動する。
解答3
解説
上腕二頭筋腱炎(上腕二頭筋長頭炎)は、上腕二頭筋長頭腱が、上腕骨の大結節と小結節の間の結節間溝を通過するところで炎症が起こっている状態のことである。腱炎・腱鞘炎・不全損傷などの状態で肩の運動時に痛みが生じる。Speedテスト(スピードテスト)・Yergasonテスト(ヤーガソンテスト)で、上腕骨結節間溝部に疼痛が誘発される。治療は保存的治療やステロイド局所注射となる。
1.〇 腱の変性で発生頻度は高くなる。腱の変性(経年的な摩耗や損傷)が進行することで上腕二頭筋長頭腱が断裂する。40歳以上に好発する。
2.〇 外旋運動で発生する。
3.× 「大結節」ではなく小結節との摩擦が関与する。主に介達外力により、肩の外転・外旋の繰り返しで、①小結節との摩擦、②重量物の挙上、③突然の強い伸張力などで生じる。
4.〇 筋腹の膨隆が遠位に移動する。これをポパイ徴候という。