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問題26.スプーン状爪をきたす疾患はどれか。
1.肺気腫
2.皮膚筋炎
3.鉄欠乏性貧血
4.感染性心内膜炎
解答3
解説
スプーン状爪とは、鉄が不足する場合、爪が薄く弱くなり陥凹している状態をいう。鉄欠乏性貧血や小球性貧血に代表的な症状である。
・小球性貧血(鉄欠乏性貧血やサラセミアなど)とは、ヘモグロビン合成が障害されることで起こるヘモグロビン異常症でみられる。
・鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏する事により、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸、息切れなどの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い疾患である。原因としては、栄養の偏りなどによる鉄分の摂取不足、消化性潰瘍やがん、痔などの慢性出血による鉄の喪失、腸管からの鉄吸収阻害などがあげられる。
1.× 肺気腫は、「ばち状指」がみられる。
・ばち状指とは、長期的な末梢の毛細血管増生と軟部組織肥厚が起こることにより、指先が太鼓のバチのように丸くなる状態である。
・肺気腫とは、終末細気管支より末梢の気腔が、肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大し、明らかな線維化は認められない病変を指す。在宅酸素療法の適応は、高度慢性呼吸不全(動脈血酸素分圧が60Torr以下の者で、睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を生ずる場合である。
2.× 皮膚筋炎とは、自己免疫性の炎症性筋疾患で、多発性筋炎の症状(主に体幹や四肢近位筋、頸筋、咽頭筋などの筋力低下)に加え、典型的な皮疹を伴うものをさす。膠原病または自己免疫疾患に属し、骨格筋に炎症をきたす疾患で、遺伝はなく、中高年の女性に発症しやすい(男女比3:1)。5~10歳と50歳代にピークがあり、小児では性差なし。四肢の近位筋の筋力低下、発熱、倦怠感、体重減少などの全身症状がみられる。手指、肘関節や膝関節外側の紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な症状がある。合併症の中でも間質性肺炎を併発することは多いが、患者一人一人によって症状や傷害される臓器の種類や程度が異なる。予後は、5年生存率90%、10年でも80%である。死因としては、間質性肺炎や悪性腫瘍の2つが多い。悪性腫瘍に対する温熱療法は禁忌であるので、その合併が否定されなければ直ちに温熱療法を開始してはならない。しかし、悪性腫瘍の合併の有無や皮膚症状などの禁忌を確認したうえで、ホットパックなどを用いた温熱療法は疼痛軽減に効果がある(※参考:「皮膚筋炎/多発性筋炎」厚生労働省様HPより)。
3.〇 正しい。鉄欠乏性貧血は、スプーン状爪をきたす疾患である。なぜなら、鉄欠乏により爪母(爪を作る組織)の代謝異常が生じ、爪の角化が不十分となり、爪甲が薄くなって中央がへこむため。
4.× 感染性心内膜炎とは、体内の細菌が心臓弁や心内膜で増殖する疾患である。増殖した細菌がかたまり血流に乗って脳や他臓器で塞栓症(脳塞栓症)を引き起こすことがある。
問題27.感染症とその口腔内所見との組合せで誤っているのはどれか。
1.猩紅熱:イチゴ舌
2.ジフテリア:咽頭偽膜形成
3.麻疹:コプリック斑
4.風疹:ハンター舌炎
解答4
解説
1.〇 正しい。猩紅熱:イチゴ舌
・猩紅熱とは、A群溶血性連鎖球菌(A群溶連菌)という細菌による感染症である。猩紅熱の症状は、発熱、咽頭炎、扁桃炎、舌の赤い腫れ(イチゴ舌)、全身に鮮紅色の発疹などである。発疹はかゆみを伴うことが多く、手触りはザラザラとしていて「紙やすり状」といわれる(※読み:しょうこうねつ)。
2.〇 正しい。ジフテリア:咽頭偽膜形成
なぜなら、ジフテリア菌が産生する外毒素(ジフテリア毒素)が局所の壊死性炎症を起こし、壊死組織やフィブリン、細菌が混じって灰白色の偽膜を形成(咽頭偽膜形成)するため。
・ジフテリアとは、ジフテリア菌により発生する疾病で、潜伏期間は、2~5日間程度で、主に気道の分泌物によってうつり、喉などに感染して毒素を放出する。最後に報告されたのが1999年であるが、かつては年間8万人以上の患者が発生し、そのうち10%程度が亡くなっていた。
3.〇 正しい。麻疹:コプリック斑
・Koplik斑(コプリックはん)とは、麻疹 (はしか) 患者の大部分に現れる頬粘膜の斑点である。臼歯に対する部分に境界明瞭なやや隆起した粘膜疹ができる。麻疹とは、麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症する病気のこと。38℃前後の発熱が2~4日間続き、倦怠感(小児では不機嫌)があり、上気道炎症状(咳、鼻みず、くしゃみなど)と結膜炎症状(結膜充血、目やに、光をまぶしく感じるなど)が現れて次第に強くなる。
4.× ハンター舌炎は、「風疹」ではなく巨赤芽球性貧血でみられる。
・巨赤芽球性貧血とは、ビタミンB12あるいは葉酸の不足が原因の、骨髄に巨赤芽球が出現する貧血の総称である。偏食や過度の飲酒などを背景にビタミン欠乏症の患者がみられる。貧血の症状(動悸や息切れ、疲労感)の他に、萎縮性胃炎やハンター舌炎(味覚障害や舌の痛みを伴う炎症)など消化器系に異常をきたす。また、ビタミンB12欠乏症において、手足のしびれ、思考力の低下、性格変化などの神経症状もみられる。
問題28.肺気腫でみられるのはどれか。
1.鳩胸
2.漏斗胸
3.扁平胸
4.樽状胸
解答4
解説
肺気腫は、終末気管支より末梢の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴うが、明らかな線維化は認められない状態のことである。慢性閉塞性換気障害を呈する。ちなみに、閉塞性換気障害では何らかの原因により気道が閉塞して気流が制限され、呼気が障害される。
1.× 鳩胸とは、前胸部の骨が突出した状態で、漏斗胸の5%以下の頻度でみられる。漏斗胸とは、胸板を形成する胸骨と肋軟骨の一部が、背中側の脊柱に向かって漏斗状に陥没している状態のことで、発生頻度は1000人に1人程度で、男子に多い特徴がある。
2.× 漏斗胸とは、胸板を形成する胸骨と肋軟骨の一部が、背中側の脊柱に向かって漏斗状に陥没している状態のことで、発生頻度は1000人に1人程度で、男子に多い特徴がある。
3.× 扁平胸とは、胸部が扁平(平ら)な状態を指す。胸郭(特に、肋軟骨)の成長過程に、なんらかの異常が起こり、多くの場合、成長とともに症状が顕著になりやすい。主な原因は遺伝的要素とされているが、具体的な遺伝メカニズムは完全には理解されていない。
4.〇 正しい。樽状胸は、肺気腫でみられる。
・樽状胸とは、肺に空気がたまり続け、膨張して胸が樽のように大きくなった状態である(※読み:たるじょうきょう)。樽状胸は、慢性閉塞性肺疾患に特徴的なもので、慢性閉塞性肺疾患とは、以前には慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称である。他の特徴として、肺の過膨張、両側肺野の透過性亢進、横隔膜低位、横隔膜の平低化、滴状心などの特徴が認められる。進行性・不可逆性の閉塞性換気障害による症状が現れる。
問題29.打診で濁音を呈するのはどれか。
1.胸水
2.肺気腫
3.気胸
4.鼓腸
解答1
解説
濁音とは、打診で聴取される小さく濁った音である。音の振幅が小さく、含気が少ないことを意味する。肝臓、心臓などの実質性臓器において聴取される音である。腹水が貯留しているとき、臥位で側腹部を打診すると、液体が存在するため濁音が聴こえる。
1.〇 正しい。胸水は、打診で濁音を呈する。なぜなら、胸腔内に液体(滲出液・漏出液・膿など)が貯留すると、空気を含む肺が圧排され、音の振動が伝わりにくくなるため。したがって、鈍い打診音になる。
・胸水とは、胸腔に液体が異常にたまることや、その液体自体のことをいう。原因としては、感染症、外傷、腫瘍、外傷、心不全、肝不全、肺の血管に詰まった血栓(肺塞栓症)、薬物など、数多くある。
2.× 肺気腫は、打診で「鼓音」を呈する。なぜなら、肺胞壁の破壊により肺が過膨張し、空気が過剰に含まれるため。
・肺気腫とは、終末細気管支より末梢の気腔が、肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大し、明らかな線維化は認められない病変を指す。主な原因は喫煙である。
3.× 気胸は、打診で「鼓音」を呈する。なぜなら、気胸は胸腔内に空気が貯留する状態であり、音の反響が強くなって高い音が出るため。
4.× 鼓腸は、打診で「鼓音」を呈する。なぜなら、腸管内にガスが大量に溜まっている状態であるため。
・鼓腸とは、便秘により腸内に溜まったガスが、打診により高い鼓のような音を立てるものである。他にも、便秘の所見として、排便が困難、排便回数が少ない、便が硬い、残便感がある状態が多い。
問題30.心臓の聴診部位で大動脈領域に相当するのはどれか。
1.胸骨右縁第2肋間
2.胸骨左縁第2肋間
3.胸骨左縁第4・5肋間
4.心尖部
解答1
解説

1.〇 正しい。胸骨右縁第2肋間は、大動脈領域に相当する。
2.× 胸骨左縁第2肋間は、肺動脈領域に相当する。
3.× 胸骨左縁第4・5肋間は、三尖弁領域に相当する。
4.× 心尖部は、僧帽弁領域に相当する。
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