第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午後11~15】

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問題11 季節病でないのはどれか。

1.肺結核
2.気管支炎
3.細菌性食中毒
4.脳血管疾患

解答

解説

季節病とは?

季節病とは、特定の季節に発症しやすい、または症状が悪化しやすい病気の総称である。気温、湿度、日照時間、花粉、ウイルス流行などの環境変化が関与する。代表例には、インフルエンザ、花粉症、熱中症、季節性うつ病などがあり、予防や治療では季節ごとのリスク因子を考慮することが重要である。

1.× 肺結核は、季節病でない(通年で発生する)。
・肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。

2.〇 気管支炎は、季節病である。なぜなら、寒冷・乾燥の影響を受けやすく、冬季に増えやすい代表的な季節性疾患であるため。
・気管支炎とは、ウイルスや細菌などにより、空気を肺に送る気管支を中心に炎症が引き起こされる病気の総称である。気管支炎はさまざまな原因により生じるが、原因の多くはウイルスによる感染症である。そのほかの原因としては細菌などによる感染症、アレルギー、喫煙・大気汚染・化学物質などが挙げられる。慢性気管支炎は、気管支の炎症による病気で、喫煙や大気汚染が主な原因である。

3.〇 細菌性食中毒は、季節病である。なぜなら、細菌性食中毒は高温多湿の環境で細菌が増殖しやすく、夏場に多発するため。
・細菌性食中毒とは、細菌に汚染された食品や、その中で増殖した細菌・毒素を摂取することで起こる食中毒である。原因菌にはサルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌などがある。腹痛、下痢、嘔吐、発熱を生じ、予防には加熱、低温保存、手指衛生が重要である。

4.〇 脳血管疾患は、季節病である。なぜなら、脳血管疾患は寒冷による血圧上昇などの影響を受けやすく、冬季に死亡や発症が増えやすいため。
・脳血管疾患とは、脳の血管のトラブルによって、脳細胞が破壊される病気の総称である。おもな脳血管疾患には「出血性脳血管疾患」と「虚血性脳血管疾患」の2つのタイプがあり、これらは「脳卒中」とも呼ばれている。脳血管疾患の予防には、減塩などの食事、運動、禁煙、禁酒、生活習慣、健康管理があげられる。

 

 

 

 

 

問題12 廃棄物処理の3Rに含まれないのはどれか。

1.減量(Reduce)
2.再販売(Resale)
3.再利用(Reuse)
4.リサイクル(Recycle)

解答

解説

廃棄物処理の3R

廃棄物処理の3Rとは、①Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)、②Reuse(リユース:再使用)、③Recycle(リサイクル:再資源化)の3つの考え方である。廃棄物を減らし、環境負荷を小さくするための基本的な方策である。

①Reduceとは、ごみの発生そのものを減らすことである。
②Reuseとは、物を繰り返し使うことである。
③Recycleとは、資源として再生利用することである。

1.3~4.〇 減量(Reduce)/再利用(Reuse)/リサイクル(Recycle)は、廃棄物処理の3Rに含まれる

2.× 再販売(Resale)は、廃棄物処理の3Rに含まれない。なぜなら、再販売(フリマアプリやリサイクルショップで中古品を売る行為)は、3Rの分類としては Reuse(再利用) に含めるため。

 

 

 

 

 

問題13 自立生活運動(IL運動)はどれか。

1.職業訓練を通じて障害者に社会復帰を促す。
2.障害者の日常生活を健常者の規範にできるだけ近づけ、社会生活を共に送る。
3.障害者が自ら意思決定をする主体的な生活を送り、他者からの干渉を排除する。
4.医学的、職業的、教育的、社会的の4つの側面全てを含んだリハビリテーションを行う。

解答

解説

自立生活運動とは?

IL運動とは、「重度の障害があっても、健常者と同じように自立して、生きていきたい」という障害者の主張を実現するため、障害者の自己決定権の拡大などを目的とした運動である。1960年代にアメリカで始まり、その後世界に広がった。(※Independent Living:自立生活運動)

1.× 職業訓練を通じて障害者に社会復帰を促す。
これは、職業リハビリテーションの概念である。
・職業リハビリテーションとは、障害者が適当な雇用に就き、それを継続し、かつ、それにおいて向上することができるようにすること及びそれにより障害者の社会への統合又は再統合を促進することを目的とされているリハビリテーションである。

2.× 障害者の日常生活を健常者の規範にできるだけ近づけ、社会生活を共に送る。
これは、ノーマライゼーションの概念である。
・ノーマライゼーションとは、「障害者が一般市民と同じ環境で、同じ条件で家庭や地域で共に生活すること」を目指す概念である。障害を持つ人が健常者と共存して「普通の社会生活」営めるように、当該社会から物心両面において改善しようという社会的志向である。

3.〇 正しい。障害者が自ら意思決定をする主体的な生活を送り、他者からの干渉を排除する
これは、自立生活運動(IL運動)である。

4.× 医学的、職業的、教育的、社会的の4つの側面全てを含んだリハビリテーションを行う。
これは、包括的・総合的リハビリテーション(リハビリテーションの4分野)の説明である。

総合的リハビリテーションとは?

リハビリテーションの分野は、①医学的、②職業的、③教育的、④社会的である。
①医学的リハビリテーションとは、病院や診療所などの医療機関で行われる、障害がある人のリハビリテーションの過程において、保健・医療などの医学的なことに対応する領域である。

②職業的リハビリテーションとは、障害者が適当な雇用に就き、それを継続し、かつ、それにおいて向上することができるようにすること及びそれにより障害者の社会への統合又は再統合を促進することを目的とされているリハビリテーションである。

③教育的リハビリテーションとは、障害のある児童や人の能力を向上させ、潜在能力を開発し、自己実現を図れるように支援することを目的にした支援活動である。

④社会リハビリテーションとは、社会生活力を高めることを目的としたプロセスである。 社会生活力とは、様々な社会的な状況の中で、自分のニーズを満たし、一人ひとりにとって可能な最も豊かな社会参加を実現する権利を行使する力を意味する。

 

 

 

 

 

問題14 ウェクスラー成人知能検査第4版(WAIS-IV)の指標に含まれないのはどれか。

1.言語理解
2.知覚推理
3.流動性推理
4.ワーキングメモリー

解答

解説

WAIS-Ⅳとは?

WAIS-Ⅳ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)とは、成人用のウェクスラー知能検査WAISの改訂第Ⅳ版である。質問やイラスト、積み木などの検査キットを用いて、全検査IQ(FSIQ)に加え、「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの指標が得られる。

IQとは、同年齢集団の中で知的機能がどの水準にあるかを示す指標の一つで、平均は100である。一般に100より高ければ平均より高く、100より低ければ平均より低いと解釈される。なお、知的発達に関する評価や診断はIQだけで決まるものではなく、適応機能なども含めて総合的に判断される

※第Ⅲ版と比較すると、言語性IQ/動作性IQの二分法が廃止され、全検査IQ(FSIQ)と、言語理解(VCI)・知覚推理(PRI)・ワーキングメモリー(WMI)・処理速度(PSI)の4指標が中心となっている。

1~2.4.〇 言語理解/知覚推理/ワーキングメモリーは、(WAIS-IV)の指標に含まれる
・WAIS-IVは、10の基本検査から全検査IQ、言語理解指標、知覚推理指標、ワーキングメモリー指標、処理速度指標を算出する。

3.× 流動性推理は、ウェクスラー成人知能検査第4版(WAIS-IV)の指標に含まれない(K-ABCⅡの検査項目に含まれる)。
・K-ABCⅡ(Kaufman Assessment Battery for ChildrenⅡ:心理・教育アセスメントバッテリー)は、子ども(上限が18歳まで)の知的能力を、認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価するものである。①継次処理能力、同時処理能力、計画能力、学習能力、流動性推理や結晶性能力など幅広い能力を測定できる。

WAIS-Ⅲとは?

WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)とは、成人用のウェクスラー知能検査WAISの改訂第3版のことである。質問やイラスト、積み木などの検査キットを用いて、「言語性IQ」「動作性IQ」に加え、「言語理解」「知覚統合」「作動記憶」「処理速度」の4つの指標が得られる。

IQとは、「同世代の集団において、どの程度の知的発達の水準にあるか」を表した数値である。平均値は100であり、点数が平均より高ければIQは100以上になり、点数が平均より低ければIQは100以下となる。79~70以上は「境界域」といい、69以下は「知的障害」と分類される。

※R8現在は、第Ⅳ版が最新である。変更点など把握しておこう。

 

 

 

 

 

問題15 頭部画像を下に示す。
 考えられる診断はどれか。

1.脳梗塞
2.脳出血
3.外傷性脳損傷
4.くも膜下出血

解答

解説

急性期における梗塞巣の確認のしやすさ

核磁気共鳴画像法(MRI)とは、核磁気共鳴現象を利用して生体内の内部の情報を画像にする方法である。治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べたり、治療の効果を判定したり、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査である。

①拡散強調像(DWI):超急性期(発症後1~3時間)
②FLAIR像:発症後3~6時頃
③T2強調像:発症後3~6時頃
④T1強調像の順である。

1.〇 正しい。脳梗塞が考えられる診断である。なぜなら、新しい脳梗塞は、CTではやや低吸収域、MRI拡散強調画像では鮮明な高信号城として描出されるため。
・CTでは壊死した脳組織が周囲よりX線を吸収しにくくなるため、やや低吸収域として描出される。
・MRIの拡散強調画像(DWI)は、細胞レベルでの水分子の拡散運動の変化を捉える画像であり、新しい脳梗塞では細胞がむくんで水分子の動きが制限されるため、鮮明な高信号域として描出される。

2.× 脳出血の場合、頭部単純CTで「実質内の高吸収域(白く見える)」として見える。

3.× 外傷性脳損傷で、出血を伴う場合(硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血など)、頭部単純CTで「実質内の高吸収域(白く見える)」として見える。

4.× くも膜下出血の場合、頭部単純CTで「くも膜下腔の高吸収域(白く見える)」として見える。
・くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。くも膜下出血ではくも膜下腔に血液が流入し、CTでは高吸収域として抽出される。合併症には、①再出血、②脳血管攣縮、③正常圧水頭症などがある。①再出血:発症後24時間以内が多く、死亡率も高い。②脳血管攣縮:72時間後〜2週間後(ピークは8〜10日)が多く、脳血管攣縮による梗塞の好発部位は、「前交通動脈」である。③正常圧水頭症:数週〜数ヶ月後に認知症状、尿失禁、歩行障害などの症状が出現する。

 

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