第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午後16~20】

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問題16 心理的防衛機制で否認はどれか。

1.衝動や葛藤を無意識的に押さえ込む。
2.現実的状況を無意識的に認めまいとする。
3.ある対象に向けられた感情とは正反対の感情や振舞いを無意識に行う。
4.ストレスに遭遇したりその状況が長く続くと、それ以前の発達段階に戻って自我を守る。

解答

解説

防衛機制とは?

防衛機制とは、人間の持つ心理メカニズムであり、自分にとって受け入れがたい状況や実現困難な目標に対して、自我を保つために無意識で発動する心理的な機構である。防衛機制には、短期的には精神状態を安定させる作用があるが、長期的にみればかえって精神を不安定にさせてしまうものもある。

1.× 衝動や葛藤を無意識的に押さえ込むことは、「抑圧」である。
・抑圧とは、ある願望と関係する出来事や考えなどを抑えつけて意識しないようにすることである。

2.〇 正しい。現実的状況を無意識的に認めまいとすることは、「否認」である。
・否認とは、容認したくない感情や経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うことである。否認を繰り返すことにより、自己中心、現実逃避、利那主義というような傾向を強め、飲酒行為やその結果に対する周囲の非難・忠告を受け付けなくなる。

3.× ある対象に向けられた感情とは正反対の感情や振舞いを無意識に行うことは、「反動形成」である。
・反動形成とは、満たされない欲求を正反対の欲動によって打ち消すことである。

4.× ストレスに遭遇したりその状況が長く続くと、それ以前の発達段階に戻って自我を守ることは、「退行」である。
・退行とは、ある程度の発達を遂げた者が、危機に際してより低い発達段階に「子どもがえり」して、未熟な行動により当面の困難を回避しようとするものである。

 

 

 

 

 

問題17 下位運動ニューロン障害の特徴はどれか。

1.筋萎縮は軽微である。
2.腱反射は亢進する。
3.筋トーヌスは増強する。
4.病的反射は出現しない。

解答

解説

MEMO

・上位運動ニューロンとは、大脳皮質から内包、脳幹、脊髄を経て脊髄前角細胞に至る経路のことである。
・下位運動ニューロンとは、脊髄前角細胞から末梢部で筋に至るまでの経路のことである。したがって、障害されると、筋萎縮、筋線維束性収縮、反射低下、筋トーヌス低下が典型である。

1.× 筋萎縮は、「軽微」ではなく顕著である。なぜなら、下位運動ニューロン障害では、筋への神経支配が直接障害されるため。

2.× 腱反射は、「亢進」ではなく低下(または消失)する。なぜなら、下位運動ニューロン障害では、反射弓そのものが障害されるため。

3.× 筋トーヌスは、「増強」ではなく低下する。低下することで弛緩性麻痺を示す。

4.〇 正しい。病的反射は出現しない。なぜなら、病的反射は、錐体路を含む上位運動ニューロン障害で出現する所見であるため。

病的反射とは?

病的反射とは、原始的な反応への退行であり、大脳皮質からの抑制が消失していることを意味する。例えば、バビンスキー反射の出現などである。中枢側にある上位運動ニューロンが傷害され、その下位運動ニューロンに対する抑制が消失し、正常では認められないような反射である。

 

 

 

 

 

問題18 介護支援専門員の役割はどれか。

1.家事援助
2.経済的問題の解決
3.訪問入浴サービス
4.介護サービス計画の作成

解答

解説

介護支援専門員とは?

介護支援専門員とは、ケアマネジャーともいい、介護保険法等を根拠に、ケアマネジメントを実施することのできる公用資格、また有資格者のことをいう。免許という位置づけではなく、要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、介護サービスの給付計画を作成し、自治体や他の介護サービス事業者との連絡、調整等を行う。他にも、介護サービスを受けられるようにケアプランの作成や、市町村・サービス事業者・施設等との連絡調整を行う専門職である。

1.× 家事援助(生活援助)は、訪問介護員等が提供する。
・家事援助とは、生活援助と同義である。平成15年4月の「介護保険制度」の改訂で訪問介護の「家事援助」は、「生活援助」という呼称に変更となっている。介護保険の「訪問介護(ホームヘルプ)」には、身体介護(入浴・排泄・食事介助など)に加えて、生活援助(家事援助)も含まれている。生活援助(家事援助)は、掃除・洗濯・調理・買い物など、日常生活を維持するための支援である。

2.× 経済的問題の解決は、生活困窮者自立支援制度などの相談支援機関が中心的に担う。窓口の名称は、市町村によって「くらしサポートセンター」「生活あんしんセンター」「市民なやみごと相談窓口」など様々である。

3.× 訪問入浴サービスは、訪問介護員等が提供する。
・訪問入浴サービスとは、専門の事業者が、寝たきり等の理由で、自宅の浴槽では入浴するのが困難な在宅の要介護者に対して、浴槽を自宅に持ち込み入浴の介護を行うサービスである。 介護職員2名と看護師1名の3名で行うことが一般的である。

4.〇 正しい。介護サービス計画の作成は、介護支援専門員の役割である。
・介護支援専門員の中核業務は、利用者の相談に応じて課題を把握し、適切な介護サービス計画(ケアプラン)を作成することであるため。

ケアプランとは?

ケアプランとは、介護サービス計画書ともいい、介護を必要とする利用者やその家族の状況や希望をふまえ、利用者に対する支援の方針や解決すべき課題、提供される介護サービスの目標と内容をまとめた計画書のことである。要介護者・要支援者が介護保険サービスを利用したいときに使用される。

 

 

 

 

 

問題19 創傷治癒促進を目的とした治療的電気刺激はどれか。

1.干渉波電流
2.微弱電流刺激
3.ロシアンカレント
4.高電圧パルス電流

解答

解説
1.× 干渉波電流とは、4,000〜5,000Hzを用い、2つの電流の周波数差(例:4000Hzと4100Hz → 差の100Hz)が体内で干渉して、低周波刺激を生じさせる治療である。皮膚抵抗が少ない中周波を利用しながら、深部に低周波的刺激を与えることができる。筋緊張の緩和や血流促進、鎮痛効果が得られる。

2.〇 正しい。微弱電流刺激は、創傷治癒促進を目的とした治療的電気刺激である。
・微弱電流刺激とは、マイクロカレントともいい、体にごく弱い電気を流して、細胞の働きを整え、組織の修復を助ける治療法である。痛みをほとんど感じない強さで用いられ、けがや炎症後の回復促進を目的として行われる。

3.× ロシアンカレント(Russian Current)とは、中周波の電気刺激を断続的に流して筋肉を強く収縮させる電気刺激療法である。主に筋力強化や筋萎縮の予防を目的に用いられ、運動しにくい部位の筋肉にも刺激を与えられる特徴がある。

4.△ 高電圧パルス電流は、創傷治癒促進を目的とした治療的電気刺激である。ただし、高電圧パルス電流の用途は、創傷治癒促進だけに限られず、臨床では疼痛軽減や浮腫改善などを目的に使われることもある。
・高電圧パルス電流とは、非常に短い時間だけ高い電圧の電気を断続的に流す電気刺激療法である。皮膚への負担や痛みを抑えつつ、痛みの軽減浮腫の改善創傷治癒の促進などを目的に用いられる。

 

 

 

 

 

問題20 杖の長さの調節で正しいのはどれか。

1.肘関節は75度程度の屈曲位
2.グリップは大腿骨大転子の高さ
3.杖先は足尖部から15cm後方に位置
4.杖先は足尖部から50cm外側に位置

解答

解説

MEMO

T字杖は、自然立位でつま先の約15cm前方・15cm外側に杖を置いたときに、肘が20〜30°屈曲し、握りが大転子の高さになるよう調節する。

1.× 肘関節は、「75度」ではなく30度程度の屈曲位とする。

2.〇 正しい。グリップは、大腿骨大転子の高さとする。

3.× 杖先は足尖部から15cm「後方」ではなく前方に位置とする。

4.× 杖先は足尖部から「50cm」ではなく15cm外側に位置とする。

 

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