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問題91 股関節屈曲80度、軽度外転外旋位でのダッシュボード損傷で生じにくいのはどれか。
1.股関節単独脱臼
2.大腿骨頸部骨折
3.大腿骨頭骨折
4.関節窩後縁の骨折
解答1
解説
1.× 股関節単独脱臼は、股関節屈曲80度、軽度外転外旋位でのダッシュボード損傷で生じにくい。なぜなら、股関節単独脱臼は、股関節の屈曲・内転位で起こりやすいため。また、強い外力が加わったとき、脱臼のみの損傷よりも骨折を伴いやすい。
2~3.〇 大腿骨頸部骨折/大腿骨頭骨折より生じにくいものがほかにある(とはいえ、典型的なダッシュボード損傷の代表所見ではない)。なぜなら、高エネルギー外傷では、大腿骨の骨折を伴いやすいため。典型例では、ダッシュボード損傷で大腿骨頭が後方へ押し込まれ、大腿骨頭(大腿骨頸部、臼蓋の後縁)を骨折しながら後方脱臼する。
4.〇 関節窩後縁の骨折は、股関節屈曲80度、軽度外転外旋位でのダッシュボード損傷で生じやすい。なぜなら、関節窩後縁は、ダッシュボード損傷で股関節に外転要素が加わると、臼蓋後縁に力が集中して合併しやすくなるため。典型例では、ダッシュボード損傷で大腿骨頭が後方へ押し込まれ、大腿骨頭(大腿骨頸部、臼蓋の後縁)を骨折しながら後方脱臼する。
問題92 膝蓋骨外側脱臼の要因で正しいのはどれか。
1.内反膝
2.Q角の減少
3.外側広筋の萎縮
4.大腿骨頸部過度前捻
解答4
解説
概要:膝蓋骨脱臼は、膝蓋骨(膝のお皿の骨)が外傷などにより外側にずれてしまい、関節から外れてしまった状態である。膝関節の形態的特徴により、10代の女性に生じることが多く、受傷者の20~50%の方が脱臼を繰り返す「反復性脱臼」へ移行する。
【原因】ジャンプの着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮した時に起こる。
【症状】炎症期は、膝関節の痛みや腫れが生じる。慢性期:脱臼を繰り返す(反復性脱臼)ようになると痛みや腫れなどは少なくなり、不安定感を強く訴える。
【治療】脱臼後、直ちに整復を行う。ほとんどの患者では鎮静や鎮痛は不要である。
1.× 「内反膝(O脚)」ではなく外反膝(X脚)が、膝蓋骨外側脱臼の要因である。なぜなら、外反膝(X脚)により、大腿四頭筋と膝蓋腱の力の向きが外側へ偏り、膝蓋骨が外へずれやすくなるため。
2.× Q角の「減少」ではなく増大が、膝蓋骨外側脱臼の要因である。なぜなら、Q角が大きいと、大腿四頭筋の力が外側へ働き、膝蓋骨が外方へ引っ張られやすくなるため。
・Q角(Quadliceps Angle:Q angle)とは、大腿四頭筋が膝蓋骨を引っ張る力を示す力線のことである。「上前腸骨棘と膝蓋骨の真ん中とを結んだ直線」と「膝蓋骨の真ん中と脛骨粗面の上縁とを結んだ直線」の交わる角度である。正常は20度以下(平均14度)。
3.× 「外側広筋」ではなく内側広筋の萎縮が、膝蓋骨外側脱臼の要因である。なぜなら、内側広筋の作用が膝蓋骨の外側への脱臼に対する力を発揮するため。したがって、リハビリでも、膝蓋骨を内側へ安定させる目的で内側広筋の再教育が重視される。
4.〇 正しい。大腿骨頸部過度前捻は、膝蓋骨外側脱臼の要因である。なぜなら、前捻角が増大すると、 大腿骨が内旋位になり、膝蓋骨が外側偏位しやすくなるため。一般的に、前捻角は、10~30°である。
問題93 顎関節症で靱帯損傷が主となるのはどれか。
1.Ⅰ型
2.Ⅱ型
3.Ⅲ型
4.Ⅳ型
解答2
解説
Ⅰ型(咀嚼筋障害):咀嚼筋障害を主徴候としたもの。
Ⅱ型(関節包・靭帯障害):円板後部結合組織・関節包・靭帯の慢性外性病変を主徴候としたもの。
Ⅲ型(顎関節内障):関節円板の異常を主徴候としたもの。
Ⅳ型(変形性顎関節症):進行性病変を主徴としたもの。
Ⅴ型(精神的因子):上記のⅠ~Ⅳ型のいすれにも分類されないもの。顎関節部の違和感、咀嚼器官にみられる不定愁訴。
1.× Ⅰ型(咀嚼筋障害):咀嚼筋障害を主徴候としたもの。
2.〇 正しい。Ⅱ型は、顎関節症で靱帯損傷が主となる。
Ⅱ型(関節包・靭帯障害):円板後部結合組織・関節包・靭帯の慢性外性病変を主徴候としたもの。
3.× Ⅲ型(顎関節内障):関節円板の異常を主徴候としたもの。
4.× Ⅳ型(変形性顎関節症):進行性病変を主徴としたもの。主病変は関節軟骨、関節円板、滑膜、下顎頭、下顎窩などの変性である。
問題94 仙腸関節に由来する腰殿部痛の判定に用いるのはどれか。
1.スパーリングテスト
2.ラセーグ徴候
3.ニュートンテスト
4.トレンデレンブルグ徴候
解答3
解説
1.× スパーリングテストは、頚椎の椎間孔圧迫試験である。方法は、頭部を患側に傾斜したまま下方に圧迫を加える。患側上肢に疼痛やしびれを認めれば陽性である。陽性の場合、椎間板ヘルニアや頚椎症による椎間孔狭窄(頚部神経根障害)などが考えられる。
2.× ラセーグ徴候は、坐骨神経麻痺・椎間板ヘルニアの鑑別に用いられる。また、髄膜が刺激され陽性となりやすい。背臥位で膝関節伸展位のまま股関節屈曲方向へ持ち上げると、股関節屈曲70°以下で疼痛を訴え、それ以上は挙上できないものを陽性とする。
3.〇 正しい。ニュートンテストは、仙腸関節に由来する腰殿部痛の判定に用いる。
・ニュートンテストは、仙腸関節炎を検査する。腹臥位で仙腸関節部を上から押して、仙腸関節の圧痛を確認する。
4.× トレンデレンブルグ徴候とは、患肢で片脚立ちをしたとき、健肢側の骨盤が下がる現象である。中殿筋が麻痺や筋力低下などの機能不全が生じているときに、患側での立脚期において健側の骨盤が下がる現象である。
問題95 ベネット(Bennett)損傷で誤っているのはどれか。
1.投球動作のフォロースルー期に脱力感が強くなる。
2.肩関節関節窩上方の骨棘形成によって発症する。
3.肩関節外転外旋強制で疼痛を訴える。
4.肩関節内旋可動域が減少する。
解答2
解説
(図引用:『肩 その機能と臨床 第4版』より ※図中の丸は関係ない)
1.〇 正しい。投球動作のフォロースルー期に脱力感が強くなる。
・Bennett損傷(ベネット損傷)とは、軟部組織損傷ともいい、投球動作により上腕三頭筋長頭や肩関節後方関節包に繰り返しの牽引力がかかり起こる骨膜反応である。野球暦の長い選手、特に投手に多く、上腕三頭筋長頭や後方下関節包の拘縮を合併する。炎症を伴うため、疼痛があるときは投球を中止し、初期は、冷罨法、固定、提肘により運動を制限する。疼痛軽減後は、ストレッチ運動や筋力強化訓練を行う
・フォロースルー期(Follow through)とは、ボールが手から離れて投球動作が終わるまでをいう。腕が振り抜けて肩甲骨の外転(肩関節外転・外旋の強制)が強調され、手指は遠心力によって血行障害を起こすことがある。
2.× 肩関節関節窩「上方」ではなく下方の骨棘形成によって発症する。肩関節関節窩上方の病変の場合、SLAP損傷が疑われる(※下参照)。
3.〇 正しい。肩関節外転外旋強制で疼痛を訴える。なぜなら、フォロースルー期(肩関節外転・外旋の強制)において、手指は遠心力によって血行障害を起こすため。後方インピンジメントが誘発されやすいのも一つの要因である。
4.〇 正しい。肩関節内旋可動域が減少する。なぜなら、上腕三頭筋長頭や後方下関節包の拘縮を合併するため。後方下関節包の拘縮により肩関節内旋可動域が優位に減少する。
SLAP損傷(Superior Labrum Anterior and Posterior lesion)とは、上方関節唇損傷のことをさす。野球やバレーボールなどのオーバーヘッドスポーツにおける投球動作やアタック動作などを反復することによって上腕二頭筋長頭腱に負荷がかかり、関節唇の付着部が剥がれてしまう状態を指す。また、腕を伸ばした状態で転倒した際に上腕骨頭の亜脱臼に合併してSLAP損傷が生じることや、交通事故などの外傷性機序で発症することがある。スポーツでは、スライディングで手をついたり、肩を捻った時に発症することがある。
国試オタク 