第32回(R6年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前21~25】

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問題21 髄膜について正しいのはどれか。

1.硬膜静脈洞は外頸静脈に注ぐ。
2.小脳テントは大脳と小脳の境に位置する。
3.脳実質に最も近い髄膜はクモ膜である。
4.中脳水道は直接クモ膜下腔へ通じる。

解答

解説

(※図引用:「脳(矢状断)」illustAC様HPより)

1.× 硬膜静脈洞は、「外頸静脈」ではなく内頸静脈に注ぐ。硬膜静脈洞とは、硬膜内層と硬膜外層の間、または、硬膜内層と硬膜内層が合わさった部分に静脈血が流れる管腔構造が存在する。脳の静脈と眼静脈は、硬膜静脈洞を介して内頸静脈へ注ぐ。ちなみに、内頸静脈は、外頸、浅側頭、顔面、顎静脈などを受けた後、鎖骨下静脈と合流して腕頭静脈となる。

2.〇 正しい。小脳テントは大脳と小脳の境に位置する。脳を内側から支持して安定させる役割を果たしている。

3.× 脳実質に最も近い髄膜は、「クモ膜」ではなく軟膜である。「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。クモ膜と軟膜の間には、脳脊髄液が充満したクモ膜下腔が存在する。脳脊髄液は、脳と脊髄の保護や栄養補給、代謝物の除去を担っているといわれている。

4.× 直接クモ膜下腔へ通じるのは、「中脳水道」ではなく第四脳室である。中脳水道とは、第三脳室と第四脳室を結ぶ中脳の内腔のことをさす。第三脳室の両外側では室間孔Monro孔(モンロー孔)を通じて側脳室に、尾側では中脳水道を通じて第四脳室につながり、脳脊髄液の通り道になっている。

 

 

 

 

 

問題22 腕神経叢の後神経束から分枝するのはどれか。

1.肩甲上神経
2.肩甲背神経
3.胸背神経
4.長胸神経

解答

解説

(※図引用:日本整形外科学会様HPより)

MEMO

腕神経叢は、第5~8頚神経(C5~8)と第1胸神経(T1)との前枝によって構成される。

中枢側から末梢側に向かって、①神経根、②神経幹、③神経束の3部に分けられる。

1~2.4.× 肩甲上神経/肩甲背神経/長胸神経は、腕神経叢の上神経幹から分枝する。

3.〇 正しい。胸背神経は、腕神経叢の後神経束から分枝する。

 

 

 

 

 

問題23 味覚について正しいのはどれか。

1.糸状乳頭には味蕾がある。
2.舌の後1/3の味覚は舌下神経が伝える。
3.舌の前2/3の味覚は舌咽神経が伝える。
4.孤束核で中継される。

解答

解説

MEMO

【味覚】顔面神経:舌前2/3、舌咽神経:後1/3

【知覚(痛覚)】三叉神経:前2/3、舌咽神経:後1/3

1.× 糸状乳頭には味蕾が「ない」。系状乳頭とは、舌の前2/3部分、つまり舌の先端と側面にランダム性に存在している味覚受容体を持たない乳頭である。役割として、舌表面の摩擦を高め、食物の移動を助ける。

2.× 舌の後1/3の味覚は、「舌下神経」ではなく舌咽神経が伝える。ちなみに、舌下神経とは、舌の運動を支配する運動神経である。

3.× 舌の前2/3の味覚は、「舌咽神経」ではなく顔面神経が伝える。

4.〇 正しい。孤束核で中継される。味覚の伝導路は、味蕾(味細胞)→顔面神経(舌前2/3)、舌咽神経(舌後1/3)→延髄孤束核→視床→大脳味覚野となる。

(図引用:「舌の構造、舌白斑症」笠井耳鼻咽喉科クリニック様より)

 

 

 

 

 

問題24 核酸について正しいのはどれか。

1.DNAにはアミノ酸が含まれる。
2.DNAは3種類の塩基で構成される。
3.RNAは蛋白質合成に必要である。
4.RNAは凝集して染色体を形成する。

解答

解説

核酸とは?

核酸とは、尿酸のもととなるデオキシリボ核酸〔DNA〕とリボ核酸〔RNA〕の総称で、ヌクレオチド(塩基+糖+リン酸)により構成される。動物や植物の細胞核の中に存在し、ヒトの遺伝情報に関係するはたらきがある。

1.× アミノ酸が含まれるのは、「DNA」ではなくRNAである。なぜなら、RNAの役割として、メッセンジャーRNA(mRNA)に転写され、翻訳という過程を経てアミノ酸がたくさん連なったタンパク質を合成するため。

2.× DNAは、「3種類」ではなく4種類の塩基で構成される。ちなみに、RNAも同様である。DNA(デオキシリボ核酸)は、「ヌクレオチド」が連続した鎖状の構造をもつ。ヌクレオチドは、①リン酸、② デオキシリボース(五炭糖)、③塩基(グアニン、 アデニン、チミン、 シトシンの中のいずれか1つ)より構成される。その際に、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンと結合し互いにねじれて二重らせん構造をとる。

3.〇 正しい。RNAは蛋白質合成に必要である。なぜなら、RNAには翻訳の役割を持つため。翻訳とは、mRNAへコピーされた塩基配列をアミノ酸配列へ変換して、リボソームでアミノ酸を順番につなげてタンパク質を合成することである。

4.× 「RNA」ではなくDNAは凝集して染色体を形成する。染色体は、細胞分裂期にクロマチン繊維が凝縮して棒状になることで形成される。この過程を染色体凝縮と呼ぶ。

 

 

 

 

 

問題25 赤血球について正しいのはどれか。

1.腎臓で産生される。
2.多核細胞である。
3.蒸留水に入れると溶血を起こす。
4.寿命は約7日である。

解答

解説
1.× 「腎臓」ではなく骨髄で産生される。骨髄で産生された赤血球は、古くなると脾臓等の網膜系でマクロファージにより貪食、破壊される。

2.× 多核細胞ではない。なぜなら、赤血球は核を持たないため。

3.〇 正しい。蒸留水に入れると溶血を起こす。溶血とは、血液中の血球細胞膜が極度の伸展や損傷のために破れ、細胞内液が流出する現象である。カリウムは、細胞内の主要な陽イオンであり、体内のカリウムのほとんどが細胞内に分布しているため、溶血が起きると、血清カリウムの濃度が上昇する。溶血の原因としては、①不適切な採血手技、②血球成分の異常、③採血検体の不適切な保存が主に挙げられる。

4.× 寿命は、「約7日」ではなく約120日間である。 

 

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