第34回(R8年)柔道整復師国家試験 解説【午前126~128】

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問題126 後天性免疫不全症候群(AIDS)で正しいのはどれか。

1.細菌感染が原因となる。
2.液性免疫系が障害される。
3.ヘルパー(CD4+)T細胞が選択的に傷害される。
4.感染直後に抗体が陽性になる。

解答

解説

後天性免疫不全症候群とは?

後天性免疫不全症候群とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染症である。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は主に血液や性行為を通じて感染する。ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症に対する治療法は飛躍的に進歩しており早期に発見することでエイズの発症を予防できるようになってきている。しかし、治療を受けずに自然経過した場合、免疫機能の低下により様々な障害が発現する。

1.× 「細菌」ではなくウイルス感染が原因となる。後天性免疫不全症候群〈AIDS〉は、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉によって引き起こされ、伝播は主に性行為、血液接触、母子感染によるものである。

2.× 「液性免疫」ではなく細胞性免疫系が障害される。ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉は、CD4陽性Tリンパ球をはじめとする細胞に感染し、破壊・減少させることで、細胞性免疫不全を主体とするAIDS(後天性免疫不全症候群)を引き起こす。

3.〇 正しい。ヘルパー(CD4+)T細胞が選択的に傷害される。なぜなら、HIVは、ヘルパー(CD4+)T細胞を主要な標的として感染・破壊するため。

4.× 感染直後に抗体が陽性「とはならない」。なぜなら、後天性免疫不全症候群の感染直後にはウインドウ期があるため。
・ウインドウ期とは、感染していても抗体がまだ十分に作られておらず検査で検出できない期間のことである。抗体は感染後28日以内に形成されるが、その間は検出できないことが多い。ちなみに、潜伏期と異なり、潜伏期とは症状が出るまでの期間のことをさす。

 

 

 

 

 

問題127 悪性腫瘍はどれか。

1.横紋筋腫
2.骨肉腫
3.神経線維腫
4.血管腫

解答

解説

腫瘍の分類

腫瘍には、 良性と②悪性、③上皮性と④非上皮性に分けられる。
①良性:主に転移しない腫瘍。
②悪性:主に転移する腫瘍。
③上皮性:体表(乳房)や管腔臓器(消化器、呼吸器、泌尿器)の覆う細胞。
④非上皮性:皮細胞以外の体の組織(筋肉、脂肪、血管など)を構成する細胞。

1.× 横紋筋腫は、良性腫瘍である。これに対して、横紋筋由来の悪性腫瘍は、横紋筋肉腫と呼ぶ。

2.〇 正しい。骨肉腫は、悪性腫瘍である。骨肉腫は、原発性悪性骨腫瘍の中で最も多い。10歳代に好発し、大腿骨遠位部と脛骨近位部の骨幹端部に多く発生する。骨Paget(骨ページェット病)などに続発する場合がある(二次性骨肉腫)。肺転移が多いが、5年生存率は近年70%以上にまで改善してきている。

3.× 神経線維腫は、良性腫瘍である。
・神経線維腫とは、末梢神経のシュワン細胞や線維芽細胞から発生する腫瘍である。上皮構造をもたない「非上皮性腫瘍」に分類される。非上皮性腫瘍は「間葉系(結合組織・筋・血管など)」由来である。

4.× 血管腫は、良性腫瘍である。
・血管腫とは、赤あざの症状が現れる血管の異常である。血管の拡張や増殖によってできる良性の腫瘍で、出生時から大きさが変わらない血管腫を「血管奇形」ともいう。血管腫の根本的な原因は明らかになっておらず、ホルモンバランスや外傷、感染症など外的な刺激が要因だと考えられている。

 

 

 

 

 

問題128 胃癌で正しいのはどれか。

1.罹患者は女性に多い。
2.年齢調整死亡率は増加している。
3.ヘリコバクター・ピロリ感染が発癌に関与する。
4.肉眼型分類1型は早期胃癌とされる。

解答

解説
1.× 罹患者は、「女性」ではなく男性に多い(男女比2:1)。なぜなら、男性の方が喫煙や飲酒の習慣を持つ人が多く、ピロリ菌感染者や塩分摂取量が高い傾向にあるため。

2.× 年齢調整死亡率は、「増加」ではなく減少している。なぜなら、世代が若くなるほどピロリ菌感染者が減っていること、冷蔵庫の普及などで塩蔵食品中心の食生活が変わったこと、さらに検診や内視鏡・治療の進歩で早期発見・早期治療が進んだことなどがあげられるため。
・年齢調整死亡率とは、観察集団と基準集団の年齢構成の違いを考慮して補正した死亡率のことである。つまり、もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率のことである。地域社会の環境衛生との関連性は低い。

3.〇 正しい。ヘリコバクター・ピロリ感染が発癌に関与する
ヘリコバクター・ピロリ菌は、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌などに関与している菌である。ヘリコバクター・ピロリ菌は、井戸水などにより経口感染するヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌である。単にピロリ菌と呼ばれることもある。アンモニアを遊離し、局所をアルカリ化することによって胃粘膜の障害をきたす病原菌である。胃炎や胃潰瘍の発生に関与する。

4.× 肉眼型分類「1型」ではなく0型を、早期胃癌とされる。なぜなら、早期胃癌は深達度がT1(粘膜・粘膜下層まで)であり、日本胃癌学会の肉眼型分類では表在性病変は0型として扱われるため。たとえば、内視鏡で浅い陥凹や浅い隆起を示す病変は0-IIc、0-IIaなどのように0型で表現される。

【胃癌の肉眼型分類】
・表在型(0型) 表在型:肉眼的に、浸潤が粘膜〜粘膜下層までと考えられる病変
・進行型(2型) 潰瘍限局型:潰瘍をつくるが、境界が比較的明瞭で周囲が盛り上がる
・進行型(3型) 潰瘍浸潤型:潰瘍をつくり、境界が不明瞭で周囲へ浸潤する
・進行型(4型) びまん浸潤型:はっきりした潰瘍を伴わず、胃壁全体に広がる
・進行型(5型) 分類不能型:1〜4型のいずれにも当てはめにくい

 

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